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「ザラはエファを取ったから……ルージュ、キミはボクの物だよ♪」
混沌の魔将ルキナはそう言って、ルージュレッテをギュッと抱きしめた。
 思わず身を強ばらせるが、あまりに柔らかく豊かな胸の感触に驚いて 、息を呑んでしまう。
 しかし、乳房なんてものは子供を育てるに適度な大きさがあればいいのだ。これは混沌の変異、醜い、醜い、醜いに決まっている。
 ルージュレッテは己れにそう言い聞かせながら、あらん限りの険しさでルキナを睨み付けた。
「そんな顔しても、ボクは怖がらないぞぉ。なんたってケイオスの将軍なんだからね」
 ますますルージュレッテを胸に押しつけるようにして、ルキナは悪戯っぽい笑みを浮かべた。可愛らしい。美しい。ルージュレッテの心のどこかがその笑顔を賞賛している。
「……わらわを捕虜にして、どうするつもりじゃ…?」
 ルージュレッテは低い声でルキナに尋ねた。

 陥落した城。群臣は牢に押し込められて生を繋ぎ、ザラに幻惑された兵達は虚ろな目で黒い戦士達に付き従っている。公王と神聖公女の玉座は魔将達に奪われ、姉エファナートは魔将の一人ザラに連れられていった。そしてルージュレッテ自身は、魔将ルキナに案内を強いられるまま、自分の寝室でルキナと向かい合っていた。

「どうする? んー、まあ、色んなことをするってトコかな」
 ルキナは訳の分からないことを言うと、ルージュレッテを抱いたまま大きな寝台に飛び込んだ。柔らかな弾力が二人の少女を包んで、清潔なシーツの硬さがルージュレッテの頬に触れた。
「そうだなあ。最終目標は、キミに公国の座を継がせて、ボクの赤ちゃんを産んでもらう。うん、それだね」
「…!?」
 あまりに突飛な発言に、ルージュレッテは目を剥いた。
「な、な、な、何を言っておるのじゃ!? わらわが公国を継ぐ…? 世継ぎ…? 馬鹿者、女のそなたが、どうしてわらわに世継ぎを産ませることができるのじゃ!」
 寝台の上で抱かれたまま精一杯怒鳴ると、ルキナは一瞬意外そうな顔をして、すぐにクスクスと笑い始めた。
「ああ、そっか。ごめんごめん、何にも知らないんだったよね。えっと…」
 ようやく腕が解かれた。ルキナは寝台の上で膝立ちになると、半身起こしたルージュレッテの前に腰を突き出す。
 そこにはあの、フェリスを拷問にかけた醜い棒のようなモノが、二本もそそり立っていた。幼く純真なルージュには、それが二本もあるおぞましいペニスだとは理解できない。
 ルージュレッテは嫌悪で顔を逸らす。するとルキナは「よく見て」と言いながら、グイとルージュレッテの頭を引き戻す。
「これがどうしたと言うのじゃ…汚らわしい! わらわを拷問にかけても、何も吐くことなぞ無いぞ!」
「違う違う」
 ルキナは笑みを絶やさぬまま、自分の下腹から生えた器官を撫でさすり始めた。するとそれはみるみる大きさを増し、浮き上がる血管で赤紫色に変わっていった。
「これはね、赤ちゃん……お世継ぎを作るお道具なんだよ♪」
「な……なんじゃ…と…!?」
 驚愕のあまり、ルージュレッテはパクパクと口を動かした。
「そ、そ、そなた、何を…よ、世継ぎは、結婚した夫婦にディアネル様が下さるのじゃ! そんな気持ちの悪いモノで、どうして……。そうか! 混沌どもはそうなのじゃな! 知らぬ、わらわはそんなもの……!!」
「ディアネル…ああ、ここの女神か。違うよぉ、ルージュ。あのね、えっとコレ、『ちんちん』とか『ペニス』とかって言うんだ。で、赤ちゃんていうのは、男の人のちんちん…まあ、人間の場合もっと小さくて、一本しかないケド……ちんちんをね、女の人のお腹に入れて作るんだ」
「……!!!?」
 もはやパニックであった。ルージュレッテはベッドの上で転がるように後ずさると、壁を背にして必死に首を横に振った。
「だ、だ、だって! だってそなたは女ではないか! なんで男の…その、男の『ちんちん』だか『ぺにす』だかが付いておるのじゃ!?」
「ん。いい質問だね。ボクは、男の子と女の子、両方の体をしてるんだ。両性具有とか、ふたなりとかって言うんだよ。……まあ、そのうち自然に覚えると思うけど…」
 男女両方の……両性具有。
 そう言われて改めて見ると、確かにルキナの体はそうかも知れない。まだ小さく硬いルージュレッテの胸に比べて、遙かに「女らしい」ルキナの乳房。うっすらとしか付いていないルージュレッテの筋肉と違って、戦士のように形良く「男らしく」付いたルキナの筋肉。そしてあの…世継ぎを作る道具が男のモノだと言うのなら、それもおそらくそうなのであろう。
「では…では……わらわは、そなたと結婚して…世継ぎを産むのか? そ、それが……それがわらわ達を欲しがった理由なのか!?」
「焦らない、焦らない」
 ルキナは身を乗り出すと、ルージュレッテの上に覆い被さり、公女の目元で滲む涙を拭った。
「それは最終目標って、言ったでしょ。赤ちゃんを作るのはもっと後。まずボクがしたいことは……ルージュと仲良くなるコト。仲良くなって……ルージュを思いっきりエッチな子にしてあげること……」
「…!」
 反応する間もなく、ルージュレッテの唇はルキナの唇で塞がれていた。しっとりとした唇の感触が鮮烈に脳まで伝わり、全身の血液がカッと熱くなる。ルキナに抱きしめられ、柔らかい胸に埋もれて……抱擁が終わる時には、ルージュレッテは脱力して寝台にくずおれていた。
 これから何をされるのか、分からない。けれどあのフェリスの様子を見れば、想像を絶するほどに恥ずかしく屈辱的なことをされるのだろう。そうか…あの時フェリスは子作りをさせられていたのだ、皆の眼前で。わらわもそうなるのだろうか……わらわも……
「あ……」
 ルキナの指が器用に動き、ルージュレッテの着るニットがめくり上げられた。ほんの僅かしかない胸の膨らみが露わになり、ルージュレッテは頬を真っ赤にして顔を覆った。
「可愛いおっぱいだね。ここ、気持ちいい場所なんだよ…ホラ」
 切ない痺れが胸に走って、ルージュレッテはビクリと震えた。
 数度ついばみ、舌を這わせ、指で弄び、口に含む。ルージュレッテの小さな乳首へ、ルキナは執拗に触れた。その度に、胸が苦しくなるような感覚がルージュを襲う。
「…は、はあっ……何を…しておるのじゃ……?」
 奇妙な感覚が与える不安に耐えかねて、ルージュレッテはルキナに問いかけた。自分の声が自然にかすれてしまうことに驚きながら。
「赤ちゃんを作る練習だよ。とっても気持ちいいでしょう……? ん…」
「ふぁ!」
 ルキナの温かい舌が、円を描いてルージュレッテの乳房を這った。口から勝手に声が洩れ、熱にでもかかったように体が震えた。
 気持ちいい……この感覚が、心地よいというのか…?
 ルージュレッテは大きく息を吸って、ルキナの次の刺激を待った。左手が胸を優しく揉み、硬く尖らせた舌先がぐりぐりと右の乳首を潰す。
「…ひぃっく!」
 後頭部を枕に押しつけてのけ反りながら、ルージュレッテは理解した。そうだ、これは本当に快感なのだ。
「ルキナ……こ、子作りは……き、気持ちよいことなのか……?」
「そうだよ……まだまだこんなものじゃなくて、もっともっと、気持ちいいんだ」
 ルキナの灰色の瞳が、ルージュレッテを捕らえる。そのままそこに意識が吸い込まれそうになって……ルージュレッテは、必死に頭を振った。
 何を考えているのじゃ、わらわは! ルキナはおぞましい混沌……神聖公女が、混沌と子を為すなぞと!
「だ、だ、騙されぬぞ、わらわは! 分かっておる、そうしてわらわを騙して、混沌の信者にするつもりであろう。わらわはディアネル様の加護を受けた神聖公女じゃ、たばかられるものか!」
 ルージュレッテは一息に叫ぶと、ルキナの肩を両手で突き放した。思ったほどルキナは動かないが、それでも胸に触れることを止め、不機嫌な目つきでこちらを見た。
「ああそう。いいよ、いいですよーだ。じゃあ、もうキミと子作りをするのはヤメ。その代わり、ボクは悪いヤツだから、キミにメチャメチャ非道いことをするからね。止めてもダメだよ。謝ってもダメ。スゴくいやらしいことをしちゃう!」
「え…? そ、そんな、待て、待つのじゃ、今のは…あ、その……」
 ルキナの表情が小悪魔のように変わっていくのを見て、ルージュレッテは慌てふためいた。あまりに無邪気な振る舞いに、忘れていたのだ。相手はこの国を滅ぼした魔物だと言うことを。
「きゃあ!」
 気付いたときには、ルージュレッテの体は宙を舞っていた。ルキナに軽く転がされ、うつぶせになってベッドに叩きつけられる。小さな丸い尻を包んだニットに手が掛かると、ルージュは一瞬で青ざめた。
「何を…あっ!?」
 手で抑えようとした時にはもう遅い。ルージュレッテのニットの下着はあっけなく引き裂かれ、無毛の股間がルキナに晒されていた。体勢を変えようと暴れる所へ、ピンク色の触手が何本も絡みつく。結果、ルージュレッテは完全に抵抗できない姿で、ルキナに尻を突き出す格好にされてしまった。
「…………! 放せ! 放すのじゃ無礼者ぉぉ! 放せ…ぐす……はなせ…」
 初めは怒り、そしてすぐに羞恥が、幼い公女の声を震わせた。これほどの屈辱は受けたことがない。ルージュレッテは思いあまって、目の前にある触手へありったけの力を込めて噛みついた。
「ふにゃ!! いだ、いだだだだだ! 痛いぞ、バカっ!」
 ぱしいっ、と高い音がして、ルージュレッテの尻が平手打ちされた。ルージュは堪らず呻いて、触手から口を放す。さらに一撃、二撃、ルキナの掌は小さな尻を襲った。あの恐ろしい力を思えば、ルキナは手加減しているのだろう。それでもお尻に響く痛みに、ルージュは大粒の涙を滲ませた。
「もう怒ったぞ! ボクほんとは優しいケド、今日は本気でヒドイこと、する! キミのお尻……お尻の穴に、ボクのちんちん入れるからね。赤ちゃんを作るのとは違うけど、気持ちよくって痛くって、ルージュはおかしくなっちゃうんだから!」
「…お、お尻の穴…じゃと!?」
 何ということを言い出すのかと、ルージュレッテは目を見開いた。
「そなた、また何を言って…ひっ!?」
 もう有無は言わせないつもりか。ルージュレッテの小さなすぼまりに、冷たい感触が潜り込んだ。浣腸器に少しだけ似たこの感触……これは、あの触手の先端だ。
「浣腸はカンベンしたげる、最初だしね。洗浄液だけだよ」
「??」
 触手の先端が、ルージュレッテの中で跳ねた。
「ひあっ!? あ、ひゃぁぁぁぁぁぁ!?」
 冷たい液体が直腸に流れ込む感覚に、ルージュレッテは堪らず悲鳴を上げた。それはお腹の奥まで流れ込むと、腸に染み込むように消えていく。後には、薬を塗った時のような奇妙な爽快感だけが残った。
「ひ…はぁ……はぁ……」
 お尻への刺激が与えた未知の感覚に、ルージュレッテは脱力して枕に顔を埋めた。
 排泄器官でこんな思いをすることになるなんて……ルキナは一体、自分の知らないことをどれほど知っているというのだ?
「じゃあ、味見ね」
「ふえっ!? 味…!?」
 ルージュが慌てて振り返るのと、ルキナが指でルージュの肛門を拡げるのと、同時だった。何か言おうと口を開く時には、ルキナの舌はすでにルージュの腸へと入り込んでいた。
「きゅ…あ……ああ!? な、なんじゃ…やめ……ああああああっ!? やめるのじゃ、汚いのじゃ、はみゅ……くぅぅぅぅ!!」
 言葉とは裏腹に、ルージュレッテは恐ろしい快感に襲われていた。シーツをかきむしり、歯を食いしばろうとする。けれど容赦なく、ルキナの差し入れた肉塊は肛門に唾液をなすり付け、激しく出入りを繰り返した。
「ひ…ふ……あ…熱……熱いのじゃ……」
 心臓は激しく脈打ち、太ももは小刻みに震えている。そして異様な熱さが、ルージュレッテの腰の奥で弾けた。
「………!」
 失禁してしまった。最初は、そう思った。
 だがそうではない。尿とは全然違った、ぬるみを持った体液が、ルージュレッテの股間から噴き出したのだ。それは今まで抑えられ、ついに爆発したかのように、太ももを伝ってはシーツへと滴った。
「何じゃ……これは……わらわの、わらわの体は…どうなってしまったのじゃ……」
 ルージュはシーツに顔を押しつけたまま、涙を隠すことも忘れてすすり泣いた。
「これは女の子の蜜だよ。キミの大切なトコ…『おまんこ』が、ボクのちんちんが欲しいってヨダレを垂らしてるのさ。でも、ちんちんはあげない。まずお尻に突っ込むって決めたからね」
 ルキナは冷酷な口調で言い放つと、再びルージュのお尻へ舌を突き込んだ。舌を使ったままどうやって声を出すのか分からないが、人間ではあり得ないほど舌を伸ばしつつ、尻の感想を語り始める。
「最初にアレで洗うと、苦みもなくていいんだよね。うーん、さすがにまだ狭くって、いいお尻だぞぉ。かなり締まりもいいし、凹凸の具合も名器っぽいなあ♪」
「ぅぅ……くぅぅ……はぁ、きっ……は……」
 言葉の意味こそ分からないが、そこに込められた賞賛の意が、ますますルージュの羞恥を煽った。しかし、もう抵抗するほどの力もない。肛門が与える奇妙な快感は、すでにルージュの全身を侵していた。
「ふぁ……はあああ…」
 ついに、甘い声が漏れた。幼い公女の誇りが、肛門の快楽に蝕まれ始めたのだ。羞恥を覚えれば覚えるほど、股間から漏れる蜜の量も増していく。ルキナの舌は飽きることなく、ルージュの粘膜を舐め尽くしていた。
「フフ……気持ちいいでしょ? これからもっと、おかしくなるくらい、気持ちよくなるよ…♪」
「うく…エファ姉様……わらわは…わらわは……はふぅぅ!」
 体の中で舌がうねるように暴れ、ルージュは姉の名を呼びながら枕に顔を埋めた。

***

「ルージュ…?」
 父が使っていた執政室でザラと向かい合っているエファナートは、脳裏に響いた妹の声に、思わず振り向いた。
 神聖公女として少なからぬ霊力を持つ二人は、幼い頃から心の声を通い会わせることができた。だから今のは……ルージュレッテが自分に何かを伝えている声だ。
「エファナートさん。どうなさいまして?」
「あ! い、いえ……少し…気になることがあって…」
「そう。では、お話を続けましょう」
 ザラは机の上に積まれた大量の書物書類に目を通しながら、エファナートへの質問を再開した。
 驚くべき事に、混沌の魔将であるザラがエファナートに要求したのは、この国の地理・経済・軍備などの詳細な情報だった。人間にあるまじき屈辱を受けるものと覚悟していたエファナートは、半ば拍子抜けしつつ、ザラの提示する細かい疑問に答えているのである。一段落つくごとに、ザラは配下へ事細かな指示を出し、戦後の処理を進めていた。敵将とは言え、恐ろしいまでに的確な政治をする、とエファナートは感心していた。
「…ひとまず、こんな所ですわね。少なくとも公都自体は、そう遠からず機能を取り戻しますわ」
 最後の書類を机の上に置くと、ザラは優雅な手つきで紅茶を口に運んだ。
「……貴方達の望みは、何なのですか…?」
 エファナートは恐る恐る口を開いた。
 縦巻きの髪を指で弄んでいたザラは、あの妖艶な笑みを唇に浮かべると、まっすぐにエファナートの瞳を見つめた。
「そうですわね…この国を作り替えることかしら。ただ破壊のみが、私達の望みではありませんことよ。最終的には、貴方達神聖公女を中心に、新たな支配体制を作るつもりですわ」
「私達を…中心に?」
「ええ。ですからお二人には、それなりの教育を受けていただきますわ」
「教育…」
 その言葉に含まれた不吉な響き。エファナートは自らの腕でその身を抱き、先ほどの妹の声を思い出した。
「まさか貴方達……もう、妹に何か……!?」
 エファナートの問いに優雅な笑いで答えると、ザラはマントを翻しながら立ち上がった。
「心配いりませんわ。ルキナさんはまだまだ子供ですから……年の近いルージュレッテさんとも仲良くできますわよ。そう…きっと、『腹を割って』話し合うくらいに、ですわ…」
 さも愉快そうなザラの忍び笑いが、執政室の静寂を緩やかに揺らした。

***

「ぅぅ…あ………」
 どれほどの時間が過ぎたのだろうか。
 もう、下半身がなくなってしまったかのようだ。しかし時折与えられる、尻の肉を掴まれる刺激や、唾液を転がす感触が、ルージュに現実を思い出させる。
 魔将の舌技を延々と肛門に受けた公女ルージュレッテは、桜色の唇からだらしなく涎を垂らして、小さく喘ぎ続けていた。
「ふふ…もう、お尻もお脳もトロトロでしょー? じゃあ、ボクもベロが疲れてきたし……抜くよぉ♪」
 ルージュの様子に満足を覚えたのか、ルキナはずるりと長い舌を引き抜いた。公女はそれすらも心地よく、声も無く尻を震わせた。
「じゃ、入れるね。大分ほぐれてはきたけど……ボクのちんちんは特大だから、死ぬほど痛いかも。でも、よーしゃナシだからね!」
 熱く硬い塊が、ルージュのすぼまりに押しつけられた。剣でとどめを刺される敗者のように、ルージュレッテは怯えながら背を丸めた。
「ぐす…お願いなのじゃ…痛くしないでたも…」
「ダーメ!」
 衝撃が、ルージュレッテの細い腰を貫いた。
 視界が一瞬明滅した。凄まじい異物感が体の中に押し入ってくる。熱さが吐き気と共にこみ上げ、ルージュレッテはルキナから逃れようともがいた。けれどルキナの剛直は、容赦なく幼い肛門をこじ開けていく。
「……ぃ…っ…くぅ…きあああっ!!」
 ぴちっ、とイヤな感触と共に、肛門の薄い粘膜が裂けた。堰を切ったように襲う激痛に、公女はのけぞった。
「おっと、切れちゃったねえ♪ ほーら、全部入るよぉ…」
 巨大な異物の前に、直腸は反射的に収縮してそれを排出せんとする。だがもはやそれも抵抗にはならない。
「ぐ…ぁぁ……ルキ……ひぐっ…やめ……んっ!?」
 ついに、ルキナの腰がぴったりとルージュの尻に押しつけられた。あの数十センチもある巨大な器官が、全て腸に突き入れられてしまったのだ。腹が膨らみ、今にも裂けそうな恐怖と激痛が少女を襲う。
「じゃあ、動くよ。さっきの液の効果で、腸が破裂したりすることだけはないから……安心して泣き叫んでね♪」
「…ぃぅ……姉……様…たすけ…ひぃぃぃぃうぅ!?」
 凄まじい触感を直腸に与えながら、ルキナの器官が抜かれ始めた。
 排便とは比べモノにならない快感と痛みが、粘膜を擦り、括約筋を通り過ぎた。
「ぅあぅ……動いちゃ…動いちゃダメなのじゃあぁぁ!」
 自分の脳に次々と未知の感覚が撃ち込まれるのが、恐ろしい。
 だがルキナは哀願も耳に止めず、引き抜く腰の動きを一点で溜めた。
「さーあ、また入るよ〜♪」
「あ! あ、あ、あ、あ、あ!」
 先ほどと同じ巨大な異物感が、ルージュの中に差し込まれていく。だがなぜかその痛みは、肛門全体の熱さに呑み込まれて、かすれていこうとしていた。
「そら! そら! そらぁ!」
「ぅぅ…ぅはぁぁ…ああああ……わらわの…わらわの…お尻が……」
 再び引き抜かれるルキナの肉に合わせて、ルージュは無意識に尻を揺らした。突き込まれると、今度は受け入れるように力を抜く。本能……いや、反自然たる混沌の本能に目覚めたかのように、ルージュレッテは肛門でルキナと交わる術を覚え始めていた。
「ひふっ…はあ…ルキナ…変なのじゃ…わらわ、わらわのお尻が…! 変……うっく……お尻が、気持ちいいのじゃぁぁ!」
「あははっ、もう来た? やだなあ、ルージュのお尻、淫乱だぞぉ♪ そらそらぁ★」
 初めて覚える肛門の快楽に溺れた公女を見下ろし、ルキナは勝ち誇ったように腰を突き込み始めた。わずかに出血していた菊座からは、混沌の粘液と少女の腸液が混じり合ってこぼれ、ますます禁断の愉悦を高めていく。
「じゃあね…」
 ルキナは愛らしい公女の尻を撫でながら、腰の角度を変えた。
「あぁぅっ!? なんじゃ…当たって…ひはっ…!」
 突如新しい刺激が股間で爆発して、ルージュレッテは枕にしがみついた。透明な蜜をたっぷりとまぶしながら、ルキナの『ちんちん』の先端がルージュの『おまんこ』に擦り付けられていた。気持ちいい。腰がとろけ、何もかもが流れ出してしまいそうなほど。
 ルキナの先端がスリットに隠された硬い一点を擦り、同時に肛門が深くえぐられた瞬間、ルージュレッテの意識は跳ね上がった。
「っくううううぅぅぅぅ!?」
 背骨が弓なりに反り返り、下半身の穴が一斉に収縮した。灼熱の快感は少女の脳で炸裂して、四肢のすみずみまで行き渡ると、静かに溶けていった。
「イッちゃったね。初めてかな? くすくす」
 シーツに涎の糸を引き、枕に顔を埋めたルージュレッテに、ルキナは微笑みかけた。

 何か…途方もなく大切なものが、今の熱で焼き尽くされてしまった。
 体の中には、新しい快感が次々と詰め込まれている。きっと、すぐにまた、あの爆発が訪れるだろう。そうなれば……もう、自分の体はルキナに逆らえなくなってしまう。
 国が滅んでも、捕虜となっても、心だけは屈するまい。
 エファ姉様……ルージュは頑張ります。
 体はもう堕ちてしまうけれど……せめて、心だけは……

「はひぃっ! あ、あああああっ!? く、あ、スゴイのじゃ、お尻が、ルキナのちんちんが…かはっ!!」
 四度目の爆発が、ルージュの体を通り抜けた。
 それが訪れる感覚は、どんどん狭まっている。今にも、次ぎの高まりが襲ってきそうだ。
 混沌の魔将に肛門性交を強いられた公女は、今や完全にその快感の虜にされて、ベッドの上でのたうっていた。
 分泌され始めたばかりの愛液は、白く濁ってシーツをびっしょりと濡らし、ルキナの腰にぶつかっては淫靡な音を立てている。限界まで円形に押し広げられた肛門は、すでに出血も止まって歓喜にわなないていた。
「フフ…すっかりいやらしいお尻になっちゃったねえ、初めてなのに。ボクもそろそろ……限界かなあ♪」
 ルージュの薄い胸を掌と触手で揉んでいたルキナは、うっとりとした表情で公女の銀髪に顔を寄せた。
 ルキナの言葉の意味も分からぬルージュは、背中に押しつけられた双乳の感触に悦びながら、夢中で腰を降り続けている。
「…キナぁ…ぁ……ちんちんが、ちんちんがどんどん太くなってるのじゃ! お腹で…反り返って……ぐっ、ふあああああ!」
 射精寸前でパンパンに膨らんだペニスへ、幼い直腸粘膜は快楽を求めて食らいついた。
「あっ…スゴイ、スゴイスゴイ! ルージュ、締まってるよ! ルージュのお尻、いいっ! ボク、射精しちゃうよおおお!」
 ルキナは歓喜の声を上げると、力強くルージュを抱きしめて、腰を叩きつけた。
 一瞬さらに膨れ上がったペニスが、次の瞬間ルージュの中で弾けた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛ああぁぁぁ!? 熱い、熱いのじゃっ! お腹がっ…ひいいっ、灼けてしまうのじゃあぁぁ!」
 熱湯のような粘液が、窮屈な腸の中で爆発する。それは凄まじい勢いでルージュの内部を満たすと、隅々まで染みわたり、結合部から泡を立てて溢れた。
「ぁ…ぁぁ……」
 絶叫していたルージュは、ゆっくりと目を閉じると、糸が切れたように脱力した。最後の、最大の絶頂を迎え、幼い尻だけは激しい生命のリズムを刻みながら震え収縮している。その動きに合わせるように、ルキナのペニスも脈打っては精を吐き出し続けていた。
「っはあ……ああ…たくさん出たよ、ルージュ……フフ……」
 ルキナが柔らかく微笑み、放心したルージュの背中を抱いたのは、一分近い射精がようやく終わってからのことだった。  

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