嫉妬



小説のページへ戻る
トップページへ戻る




「う〜.....」



更衣室。 レイの裸身に唸るアスカ。



「...何...?」



「あんた...ほんっっとに白いわねぇ」



「そう...? あなただって、白いわ」



「そりゃ、あたしは3/4は白人だもん。 白くて当然! でもあんた、日本人
 でしょ?」



「.....わからない.....」



う.....そ、それにしてもっ! 白さが違うわよっ! あんた、透き通りそうに
 白いじゃないの。 それにその肌! あたしだって1/4の日本人の血のおかげか
 どうか、日本人並にはつやつやしてるし肌目も細かいけどさ、あんたのは反則
 じゃない! なによそれ、日本人離れしてるじゃないの!」




「黒人はもっと肌目細かいわ。 ...金属みたい」



「う.....。 全く、ああ言えばこう言う...。 ...でも、ウェストのくびれと
 脚の長さはあたしの勝ち



「そう...そうね...」



「んっふっふ〜♪ 負けを認めたわね。 ...ところであんた、ブラ、カップ何?



「...Cよ...」



「...........なんだ、同じじゃない.....」



「最近きついわ...。 でも...Dだと少し緩い...」



「あっそ.....」



「.....あなたが、羨ましいわ.....」



な、なによっ! ようやくCが収まりよくなってきた貧乳の方がいいってぇの?」



い、いや、別にCなら貧乳じゃないと思うが(^^;。



「うっさい!」



.....失礼しました(^^;



「..........あなたは、人間だもの..........」





















「...どうしたんだい?」



「.....タブリス...?」



「浮かない顔をしているね」



「あなたが...羨ましい.....」



「何故?」



「あなたは...抵抗なく碇くんの側に居られるもの.....」



「何故...そういう事を言うんだい?」



「私が身を寄せると...碇くんは身を引いてしまう。 私が碇くんに触れると...
 あの女が怒る。 でも...あなたが身を寄せても...碇くんは動かない。 あなた
 が触れても...誰も怒らない。 ...あなたが.....羨ましい.....




「羨ましいのは...僕の方だ。 僕はシンジ君の『親友』にはなれる。 シンジ君
 との距離を、ゼロにはできる。 でも...それだけだ! 僕が求めても、シンジ
 君は応えてくれない。 僕にとって男も女も等価値でも...シンジ君にはそうじゃ
 ないんだ! 触れあう事はできても...ひとつになる事はできない! あの世界
 で...シンジ君とひとつになったのは君だ。 この世界でも...シンジ君とひとつ
 になれるのは...シンジ君との距離をマイナスにできるのは女だけなんだ!

 ..........何故.....僕は男なんだろう...? どうして...女になれなかったん
 だろう...? 悔しい、よ...。 女なら...女でありさえすれば...誰にも.....
 シンジ君を...渡したり、しないのに.....」




絞り出すように。 血を吐くように。 紡ぎ出される、言葉。
レイは、ただ、瞳を瞠った。 それしか、できなかった。



「..........すまない...。 取り乱してしまったね」



「...あなた.....碇くんに...?」



「あぁ、見事に振られたよ...。 『男の子とそんな気にはなれない』ってね...」



何も言えない。 ただ、視線を伏せた。



「君は...求めてみたのかい?」



「.....?」



「シンジ君の性格は、よく分かっているはずだろう? ...求めてもみず、羨むのは
 ...やめてほしいな...。 君は...自分がどれほど有利な立場にいるのか...よく
 考えた方がいい。 それに...シンジ君が何故身を引くのか...よく、考えてみる
 事だね。 ...じゃ」





















呼び鈴の音。 待ちに待った、音。 扉を開く。



「ごめんなさい、わざわざ呼び出して...」



「あ、いいんだよ。 で、あの...僕に渡すもの...って...」



少年の言葉が止まる。 初めて見る、白いワンピース。 タイトではないけれど、大胆に短い、スカート。
扉を開いたまま、少し前屈みの姿勢。 大きく開いた胸元から、零れるふたつの果実。
艶やかな、透き通るように白い素肌が、うっすらと上気して美しい。



そっと、微笑んで。

『眩惑』 by コースケさん



「入って...」



「う、うん...」



促されるまま。 シンプルな、でも、手入れは行き届いた部屋に。 少女が、鍵をかけ。 チェーンをかける。



「あの...。 機密だったら、ここより本部の方がよくない?」



「駄目。 職員でも、知らせられないの。 もちろん...葛城3佐や、アスカにも」



「そ、そう...。 それで、一体何なの?」



「その前に、これ...」



そっと。 1本の鍵を握らせる。



「え? これ...」



「この部屋の鍵。 碇くん一人の時なら、いつでも使って」



「え? えぇぇっ?! そ、そんな...」



「..........嫌...?」



「そ、その...そんなこと、ない、けど...。 ...いいの?」



「碇くんには.....持ってて欲しいの...」



「う、うん...。 ありがとう...。 その、それで...」



「ごめんなさい...。 機密...あげるもの.....NERVのじゃ、ないの...」



「え? じゃ、いったい...」



何も答えず。 レイは、す、と踏み出す。
思わず視線が落ちて。 白い谷間に吸い寄せられそうになって。 慌てて身を引こうとする。
が。 ひと呼吸早く。 少女のしなやかな腕が。 優しく。 しっかりと。 背中に回される。



鼻腔をくすぐる、シャンプーの香り。 石鹸の香り。

そして、何より。

甘い、少女の香り。



胸板に押し付けられた、ふたつの膨らみ。 柔らかな感触が、少年の思考を、真っ白に灼きつくす。



「あ、あや、な、み.....?」



「碇くん.....。 私.....私、を.....





 イラストのヲマケを読んでみる




小説のページへ戻る
トップページへ戻る

ご感想はJunchoonまで...
イラストのご感想はコースケさんまで...