「そう言うわけだから、ひとまず勝負抜きで、話しといた方がいいかと思ってね」
 あの無邪気な笑みを浮かべながら、ケイオスヒーロー・ルキナが踏み出した。
「なるほど……まあ、賢明な判断という所ですわね」
 それを受けて、もう一方のヒーロー・ザラが、唇に指を当てて微笑む。
 ザラ陣営の天幕の前、二人のヒーローを目の前にしながら、ルーレットは暴れ回る心臓を沈めようと躍起になっていた。欲望と緊張、威圧感と美貌。二人の側に立っているだけで、気が狂いそうになる。
「でも……そちらの、ルーレットさんでしたかしら? アビカへの呪詛の本体をお持ちになって、さて、一体何をなさろうと言いますの?」
 ザラは、脇に立たせたアビカ……そしてその肉体に張りついたグシーナと言う奇怪な生物を撫でながら、ルーレットへと蠱惑的な視線を向けた。
 水晶玉の中で苦悶していた少女は、変わらず悶えてはいるのだが……不思議と痛々しさが薄れていた。ザラの指が小ぶりな乳房に触れると、甘い喘ぎを洩らして唇をほころばせる。怪物の腹に開いた粘膜を撫でると、大きく震えて循環する液体の音を響かせる。
「先に申しておきますけれど、私このオモチャをなかなか気に入っておりますのよ。こうして弄んでいるだけでも楽しめますし、ペニスを見せればなかなかの奉仕をしてくれる……。その呪詛を解いてアビカを解放しろと言われても、はい分かりましたと従えるものではありませんわ」
「そうだ! アビカはオレ達が世話をする。さっさと帰りな!」
 ザラが不敵な笑みを見せ、その足下にひざまづくディータという戦士が威嚇の素振りを見せた。
「失礼だけど、誰もただで渡せなんて言ってやしませンよう」
 ザラの威圧感を生来の気の強さで防ぎながら、ルーレットはアビカへと歩き出した。
「賭けですよ」
 巧みな指捌きで水晶を転がし、右手から左手へ、アビカの口元へ。
「聞いたところでは、今この神殿じゃあ、守護者争いのいさかいをやってるって言うじゃあありませんか。でしたらアタシだってルキナ様の部下、いずれはザラ様達と戦う時もあるでしょう。ですからそン時です」
 ルーレットはクルリときびすを返し、アビカの口を吸った。
「…!」
 惚けた瞳をしていたアビカがハッと目を開き、息を飲み込んでルーレットを見下ろした。ルーレットは二人の口の中で水晶を転がし、舌を絡めて行き来させる。反応したグシーナが、触手を伸ばしてルーレットに奉仕を始めた。ルーレットはようやく唇を離し、「ですからね」と言葉を続けた。
「アタシが勝負をする時に、賭けちゃくれませんか? アタシが勝ったらアビカをいただく。そちらが勝ったら呪詛の水晶を渡す。どうですかい?」
 ルーレットが威勢良く言い切る間にも、グシーナはそのペニスに触手を絡め、小さな裂け目を舐め回し、ルーレットの快楽を喰らい始めていた。アビカは欲情に霞んだ目でルーレットを見つめながら、事態を把握しているのかいないのか……短くあえぎ続けている。
「面白いですわね」
 ザラはルーレットとアビカを目を細めて見た後、ルキナへと振り向いた。
「ルキナさんも、よろしくて?」
「うん。ボクも、その方が楽しいと思うな」
 ルキナの返答に頷くと、ザラはもう一度アビカ達に振り返り、そのハサミの腕を高く振り上げると…
 グシーナを、打った。
 白い肉が裂け、グシーナが苦悶に震える。見開かれた目の中で、二つ並んだ瞳孔が揺れた。
「ひぎぅぅぅぅぅぅっ!!」
「う…うああああああっ!!?
 同時に、アビカとルーレットは白目を剥いて絶叫した。
 受けた傷を癒すべく、グシーナが死にものぐるいで快楽を喰う。それは必然的に、体を繋げたアビカとルーレットを猛然と犯すという形を取った。
 明滅する視界の中で、アビカがぐったりと意識を失う。矛先は全てルーレットへ収束し、触手は媚薬をまき散らしながら尿道へ潜り込み、腹の中のペニスは数本に別れて子宮口を犯した。その全てから、淫魔の魔力が快感となって直接流れ込んでくる。
「ぁ…… ……  …… 」
 数度膝を笑わせたルーレットは、美しい腿の間から失禁した液体をこぼれさせ、仰向けに倒れた。
 朦朧としたルーレットの背中に、ルキナの柔らかく力強い腕。
「まあ…それでも、失神まではいたしませんでしたわね。流石はヴァイアランスの戦士……といったところかしら…ホホホホ。さあ、ディータ、帰りますわよ」
「はぃ、ザラ様!」
 ザラのマントが翻って闇を覆い、グシーナを引き立てるディータの姿を隠した。
「ル…ルキナ様、や、やられちまいましたね……へへ」
「そだね。おもらしもしちゃったみたいだし、ボクが洗ってあげるよ♪」
 ルキナは軽々とルーレットを抱きかかえると、神殿へと歩み始めた。
 アビカのぬくもり、アビカの瞳。それは愛でも恋でもないけれど、確かな感触としてルーレットの中に残っている。
「奇縁ってヤツですかねェ…」
 ルキナの歩みに揺られながら、ルーレットは小さく声を吐き出した。
「そうかもね。でも、元々ボク達みんなは、シオン様の許に結ばれてる。ルーもボクも、もちろんザラだってね。だから、心配なんていらないと思うけど……そもそも、賭けだったら誰にも負けないんでしょ、ルー?」
「ルキナ様以外には、ですけどねェ…」
「そっか。くすくす」
 ルキナの愉快そうな声に笑みを返し、ルーレットはその豊かな胸に顔を埋めた。
 大きな賭け値の乗ったルーレットが、今どこかで回り始めていた。


ケイオスウォリアー・ルーレット by 暗黒犬将軍 thanks!


 元ギャンブラーという一風変わった経歴を持つ戦士。どうやら、過去にその体を賭けてルキナと勝負し、敗れたらしい。
 性格は直情的で強がりながら、姉御肌。角や尻尾は性感帯で、尾の先からは媚薬を分泌する。左目に刀傷があるが、今の所その由来は不明。
 ヴァイアランス戦士の中でも有名な早漏だが、絶倫で連射可能なので気にならないようである。


 さてさて、二人同時デビューである今回の一人目の主役、ルーレット姐です。
 なんと、あの暗黒犬将軍様からいただいてしまったのですよ! 何というか…こう、Rebisがネットに進出する前から、何度も拝見していたような方からいただけるなんて、ホント嬉しいことですね。でもってまたこの、ウォーハンマー的世界観を見事に再現した装備が、素晴らしいです。チェインメイルの処理……ああ、どうやって塗ったのだろう(^^)。
 暗黒犬将軍さん、ありがとうございました!!



アビカ=ファラセウデ&寄生淫魔グシーナ by 玄魔 thanks!


 六軸世界の都市で売春街を仕切っていた少女、アビカ。その醒めた性格と冷静な態度から邪術師の恨みを買い、呪詛で植え付けられた淫魔がグシーナである。
 グシーナはアビカの肉体と半融合し、性器と触手で犯したアビカの快楽を喰らう。現在のアビカは、暴力的な快楽の嵐に耐えるのに精一杯。かろうじで理性を残している状態だ。
 ザナタックの研究でグシーナの姿は調整され始めているが、その真の姿や能力がいかなるものであるのかは、まだ分かっていない。   玄魔翁の設定テキストはこちら


 さてさて、玄魔翁から、テキスト奴隷を直接イラストにしていただいてしまいました。もう、じいさまったら絵も描けるのに隠していて、やあネエ、って感じですね(^^)。
 すでにクトゥルー系の風貌も凛々しいグシーナにビビって、Rebisは自分流に描いてしまったりしてみましたが……いかがだったでしょうか。
 異色のキャラクターではありますが、今後の発展が楽しみですね。
 玄魔さん、ありがとうございました!!