「ふぁ…」
抱きしめると、微かな吐息と熱い体温だけが、返ってきた。
ザラは堪らない欲情と、加虐心と、愛おしさを込めて、さらに強くルキナを抱いた。
ザラの胎内では、ルキナのペニス…その霊力が、熱く脈打っている。
ルキナとの別離以来、研鑽を続け、身につけたヴァイアランス神術の一つ。それで封じられたルキナの『ペニス』は、霊力としてザラの子宮内にあるのだ。
犯されているとも、子を宿しているとも知れぬ不思議な充足感を覚えつつ、ザラはルキナの体に手を、髪を這わせた。
「ひゃふ…ゃ…ゃめ…」
腕の中で、ルキナが処女のように震え、目に涙を溜めながらいやいやをする。
「快楽の申し子が……何をおっしゃってますの…?」
ザラは意地の悪い囁きを吹きかけると、ルキナの尖った耳に歯を立て、同時に指を秘所に突き立てた。
「ひゃううううぅんっ!!?」
ルキナの愛らしい声がか細い音色を立て、ザラの指先は熱い肉門に締め付けられた。
普段でさえ初々しい処女のようなルキナの性器は、制御しきれない欲情に濡れ狂い、いつにも増して窮屈にとろけている。
ためらいつつも貪欲に絡みつく肉襞は、ヴァイアランスの神事に捧げられる淫らな乙女のようだ。
「ルキナさん…フフフ…こんなにしてしまって……よほど、辛いのですわね……」
「だって……ザゃぁ…が…」
ルキナはほろほろと涙を流しつつ、背を反らし、股間から走る快楽を和らげようとしているようだった。
自らの力でルキナが苦悶し、ルキナの全てが自分の手の中にある実感に、ザラの淫虐心はますます煽られていく。
「ま…まずは一度…この暖かい柔肉の中に、たっぷりと射精して差し上げますわ……」
もっともっと、言葉と指で責めていたい。だが、自制心ももはや限界だ。
ザラは声を掠れさせながら、かつて無いほど熱く硬く勃起したペニスを、ルキナの入り口に擦り付けた。
「だっ…ダメ…ぇ……ひ…今…されたら…し…んじゃう…よぉ……」
淫らな形状の亀頭を当てられただけで、ルキナの小さく開いた粘膜は、水風船でも弾けたかのように愛液を噴き上げていた。
「今さら泣いてもムダですわよ、ルキナさん……。これは、戦いなのですから…」
ザラはルキナの哀願を握りつぶす快感に震えながら、姿勢を変え、背後から抱きかかえた。左脚をつかんで大きく股を開かせ、結合部分を二人ともが鑑賞できることを確かめると、じっくりと腰を突き入れ始めた。
「ぃう…ひあああああああああああああぁぁぁぁぁっ……」
ルキナは声を震わせ、ザラにすがりつくようにしながら、挿入を見つめていた。
早く貫きたい欲求を抑えながら、ザラは少しずつペニスを進めていく。柔らかい膣前庭の粘膜に包まれ、太く窮屈な括約筋と、そこに集中した繊細な肉襞をくぐり抜けた。最も狭い入り口を通過し、膣内はわずかに広がる。丹念に形作られた、とろける襞と肉粒の感触。さらに進むと、ルキナの膣はすぐさま新たな締め付けを見せる。快楽を高めるため、膣壁が何重ものリング状に締まっているのだ。
何段締めとも表現できない産道をくぐり抜け、わずかに固い子宮口の感触に辿り着く。
「さぁ…ルキナさんの最も大切な部分…いただきますわよ……」
連続で射精し、快楽に溺れたルキナの泣き顔を見ながら、ザラは最後に一際強く、腰を突き込んだ。
「ぅあっ!!」
「くぅ…うぅぅぅぅぅぅ……っ!」
ルキナの子宮は、ヴァイアランスの混沌にふさわしい生理を見せ、ゆっくりとザラのペニスを呑み込んだ。
一段と強い締まりが、ザラの敏感な亀頭を擦り下ろす。
そして…ちょうど亀頭のくびれを子宮口が喰い締める形で、長い挿入は終えられた。
「ボクのっ…ボクの赤ちゃんの部屋が……ザラに取られちゃった……」
ルキナは異空の紅い光をぼんやりと見つめながら、ビクンと体を震わせ、新たな射精を始めた。
高く高く濁った精液が迸り、ルキナの精力を知らしめるその濃度が、二人の体に糸を引いた。
射精のリズムに合わせ、ルキナの胎内の締まりが、複雑に収縮する。
「ルキナっ…さ…んっ! こ、この子宮に…直接刻んで差し上げますわっ…! ワタクシの……勝利をっ…!!」
ザラのペニスが、一気に二回り近く膨れ上がった。
まだ、射精しない。
戦いが決着したかに見えた、あの時からの短い期間……その間に物凄いペースで生産された精液が、一気にザラの輸精管を駆け上った。
まだ射精しない。
ペニスは膨れ上がり、その中にありったけの生命のエキスを溜める。
まだ……
「くっ……ああああああああああっ!!!」
四肢の隅々から力が引きずり出されるような射精感に、ザラは絶叫した。
ペニスだけが独立した生き物になり、全身がそれに操られるかのように、震え、痙攣する。
そして途方もない快感と共に、ザラの想いは一気に噴出した。
「っ………」
沸騰する精液に一瞬で子宮を満たされたルキナは、声もなく、一筋の涙をこぼしていた。
***
そう……この時を、この時を、この時をこの時をこの時を、どれほど思い描いただろうか。
ルキナの全てを支配する時。
ルキナを愛し、蹂躙し、屈服させ、泣き叫ばせる時。
初夜を迎えた少女のように、時に悦び、時に哀願するルキナ。
だが、今のザラは、ルキナの必死の願いを受け入れることも、踏みつぶすこともできるのだ。
愛する者を、思う様に愛でることも、いたぶることもできる……
なんと、甘美なのだろう。
ザラは、己れのクリトリスに神力を降ろすと、それをルキナそっくりな第二のペニスに変え、ルキナの肛門へとねじ込んだ。
快楽が倍加し、ルキナはさらに絶頂の上を転げ回る。
挿入しているというよりも、溶け合い、一つになってしまったような蜜肉をかき回す感覚に、ザラは壊れたように射精をし続けた。
体位を変えて自分の上にまたがらせると、揺れるルキナの痴態をたっぷりと鑑賞しながら、腰を突き上げた。
二つの穴に魔力で封をしたまま、乱暴にペニスをしゃぶらせ、愛らしい顔を精液でいっぱいに汚した。
胸で挟んで射精した。触手に絡めて射精した。腹筋に擦り付けて射精した。
時折ルキナのペニスを受け入れては、子宮に封じられた霊力と共鳴する感覚に、新たな歓喜を覚えた。
繰り返し、繰り返し、ザラはルキナの中へ、情念と欲望をぶちまけた。
そう……私はずっとずっと……これを思い描いて……
ルキナは、泣き叫んでいる。
そう…ルキナにこうしたくて……力を求め、鍛錬を続け、神に祈り、体を交え、迷宮に攻め寄せ、戦い、戦い、戦い……
ルキナは、すすり泣いている。
そう…私は……
ルキナは、泣いている。
違う。
こんなことを、したかったんじゃない。
ザラの動きが、止まった。