■〜溺愛〜 (作・水池竜樹)

竜樹さんよりいただいた小説を掲載させていただきます。





 快楽にもいろいろ種類があるだろう。

 性の快楽、酒食の快楽、美に触れる事を快楽とする者もいれば、心地よい眠りを快楽とする者もいる。

 以前の私にとっては剣がそれだった。

 剣を振るい、相手の肉に刃を打ち込む。熱したナイフを押し付けたバターのような脂肪、刃を弾き返そうとしながらその甲斐も無く挽き潰される筋肉、ゴムのように限界まで伸びた後ぷちんと引き千切れ真紅の血を迸らせる血管、粉のように粉砕され砕け散る骨。
そういった感触の全てが、敵に刃を食い込ませた一瞬に刃から伝わり、私の身体を雷のように駆け巡る。

 魔剣ブーゲントラウムブリンゲナーを手に入れてからは、よりそれが濃厚となった。剣を振るい、敵の肉を抉り、断つ。その度に私の身体は快感に震え、相手の息の根を止める瞬間には必ず性的絶頂に達した。

 この頃から、私は既に偉大なる混沌に見初められていたのかもしれない。剣は私の性器であり、殺す事は私の性行為だった。

 次第に私は殺す為に戦い、快感を得る為に剣を振るうようになった。

 蛇体となったのもこの頃だった。敵を殲滅する為に、少しでも多く快楽を味わい尽くす為に逃げた敵を追い、混沌の密林の奥に踏み入った私は、出口を見失いさまよう事となった。

 そのような状況にあっても、剣は血を求め、自らの身体は殺す事の快楽を求めて哭いていた。今思えば、魔剣に魅入られ引き摺られつつあったのかもしれない。

 
 その焦燥が頂点に達した時に「それ」は現れた。


 ぬめ光る鱗。分かたれた二つの頭部には鏡のような光を放つ眼。口を大きく開き、「それ」は攻撃の意志を示していた。

 肉色に濡れて光る口内に、唾液を滴らせる真珠色の牙。私の身体の倍の長さはあろうかという双頭蛇の官能さえ覚える光景に、私は攻撃の衝動を抑え切れなくなっていた。

「あの肉の感触を味わいたい。」

「あの肉に刃を食い込ませ、筋を断ち切り、骨を穿ち、血を浴びたい。」

 そんな欲求だけに突き動かされて、私は獣のように双頭蛇に襲い掛かった。

 抉る。

 穿つ。

 潰す。

 断つ。

 刃が伝えるその感触は今までで最高の法悦を私に与えた。剣を振るう度に、射精していた。

 そして、その快感に突き動かされるようにまた剣を振るう。その度に快楽は強く、噴き上げる精液は濃くなっていった。


 もちろん私の身体も無数の傷を負い、右目も既にその毒に潰されていた。しかし、それすらも私に狂ったような快楽を与え、傷つき、傷つけられるたびに私はその精液を双頭蛇にぶちまけるように射精した。

 だが、終わりの無い宴は無く、戦いにもひとまずの終焉は必ずある。

 私は力尽き、双頭蛇に足先から呑まれようとしていた。柔らかな口内にすっぽり包まれる感触にすら私は大量の射精をした。

 しかし、傷ついた身体からは、徐々に感覚が失われていく。既に死ぬ事の恐怖はなかった。ただ、この快楽が消えてしまう事は耐えられなかった。私は恐怖し、言葉にこそならなかったが祈りさえしたのだ・・・・・・この快楽が消えないようにと。


 その瞬間、私の中の『何か』が震えた。


 畏怖、恐怖、愛、憎悪、悦び、嘆き、怒り、悲しみ。私の中のどの語彙をもってもそれは言い表す事ができなかった、それは全てであり、どれでもなかった。

 それの胎動に私は全身を痙攣させ、赤子のように泣き叫んだ。血、汗、涙、唾液、鼻水、愛液、精液、全てが自らの制御を外れ噴き出していた。


 大いなる混沌の御手に抱かれて、私はそのまま闇の中に意識を沈めた。





「へぇ?今のリュカからは信じられないねぇ。」

 巨大なドラゴンオーガは身体をぶるりと震わせると、その巨大なレッドドラゴンのペニスから大量の精液をリュカーナの胎内に吐き出した。

「んっ・・・・・・ラディ姐もそう思いますかー?」

「ふぅ・・・・・・・くっ・・・・・・あぁ、でもいいさ。そのおかげでアタシのもこうやって呑み込んでもらえるんだからな。」

 蛇の下半身を手に入れたリュカーナの身体は、ドラゴンオーガであるラディアンスの身体を受け入れる事の出来る数少ない人物の一人である。長い下半身をラディアンスの肉体に絡み付かせ、積極的に精を貪ろうと動かすリュカーナに、ラディアンスは顔をほころばせ再び律動を始めた。二人の性交は長く、濃密だ。竜とオーガの精力を兼ね備えるラディアンスに、蛇の性を持つリュカーナ。一晩を明かしてもまだ身体を重ね合うことも二人の間では普通だった。

「・・・はぁっ・・・・・・ねぇ、ラディ姐・・・。」

「く・・・・・・ん・・・・・・なんだい?。」

 聖戦が終わった。
 
 偉大なるシオン=ヴァイアランスに捧げる誉れある戦と言えど、戦いは戦いである。この神殿をもとより守護していたルキナ達はもちろん、ザラ勢の戦士、奴隷達も長く留まる事となったこの地に愛着が湧いて来ていたのだろう、訪れた平和を喜ばぬ者は無かった。

 その中でリュカーナは複雑な胸中でその平和を迎えていた。

 ラディアンスの逞しい腕に抱きとめられ、突き込まれながらふと一人の美しい両性具有の姿を脳裏に浮かべてみる。聖戦が始まってから神殿を訪れ、敵陣営の戦士となった伊娃である。聖戦が終了した事により、因縁のあった伊娃とも敵では無くなる。

 混沌に身を投じ、ザラの下に馳せ参じたリュカーナは、今肌を重ねているラディアンスにほのかな思慕の念を寄せていた。

 そして、それ以前に付き合いがあったのが伊娃なのだ。伊娃と敵同士では無くなる・・・それが自分にとってどういう事か、リュカーナは自分の中で整理しきれずにいた。

 混沌によって蛇と同化した自分を絶望から引き上げ、また剣士としての道を歩ませてくれた恩人。

 処女を捧げた恋人。

 そして・・・・・・自らを捨てた相手・・・・・・。





 記憶の中、リュカーナを伊娃は剣を交えていた。リュカーナの剣は鋭く速く、そして伊娃の剣は激しく、剛く。何合か切り結ぶうちに、蛇の下半身に慣れないリュカーナの身体はもつれるように遅れだす。それを見た伊娃は稽古の終わりを無言で促すように剣を収めた。

「エワは狂刀戦士の二つ名で呼ばれてますよねー?でも、普段のエワからはそんな事は窺えませんね。」

「そうね。でも、私は単に血に狂っている訳ではないのよ。戦い方が少し激しいからそういう風に言われるけれど?」

 稽古の手を止めて発したリュカーナの問いに、はぐらかすような笑みを見せながら伊娃は笑った。

「そういうリュカーナだって、いざ戦いとなると優雅ながら激しい剣ね。そうね、扇情的と言っても良いわ。」

「そうかもしれませんねー。確かにに戦っている時が一番感じてます。・・・・・・私。身体が熱くなって、我を忘れて。魔剣と私が一体になったようで凄く気持ち良いんです。」

 声音はそのままに俯いてリュカーナは伊娃に答えた。
 
 剣士にとって剣技をはただ剣を振るう腕だけではない。相手の剣を避け懐に潜り込む、相手の死角を衝く。そういった体さばき、足運びを総合したものが剣の技なのだ。同化した蛇の身体、それに慣れないリュカーナは、以前通りに剣を振るう事が出来なくなっていた。剣士にとって剣を振るえなくなる事は死に等しい。

 実際、伊娃と巡り合うまではリュカーナは自らの身体に絶望していた。いくら混沌の力によって甦ってもこの身体では以前のような剣技は取り戻せないだろう。

 そうした時に出会ったのが伊娃だったのだ。

 伊娃はリュカーナと同様に蛇の下半身を持ちながらも、華麗に、そして激しい剣妓で「狂刀戦士」としての名を馳せていた。伊娃がこうして蛇の身体を活かした剣技も存在する事を示してくれなければ、リュカーナは少なくとも剣士としては死んでいただろう。

「溺れては駄目よ?それは二流の剣だから。」

 苦笑を浮かべながらの伊娃の言葉に、思いにふけっていたリュカーナは我に返った。

「溺れる?」

「戦う事に快楽を覚える事を否定はしないわ。快楽は人それぞれ、肌を重ね愛を交わす事が何よりとは限らない・・・と私は思うわ。あなたのように殺す事を快楽と感じる人もいるでしょうし、美食、美酒に酔う者もいる。」

「それと溺れるとはどう違うんです?」

「そうね、溺れるという事はそれしか見えなくなること。剣士が剣に溺れるのは敵が見えなくなることよ。暗闇の中で敵を見ずに剣を振るったところで敵に当たる筈も無い。・・・・・・それは剣士として恥ずべきものだと思うわ・・・・・・私はだけど。」

「・・・・・・そんなもんですかー・・・・・・良く分かりませんね。」

「別に、欲に溺れること自体が悪ではない・・・・・・とは思うけれど、剣においては溺れては駄目という事ね。・・・・・・それに、溺れて他の快楽をみすみす見逃すのは勿体無い・・・と思わないかしら?」

 そう言った後で伊娃は、蟲惑的な笑みを浮かべた。

「・・・・・・・・・ぁ。」

 ゆっくり近づく伊娃の唇にリュカーナは身体の奥が熱く疼くのを感じ、その眼を閉じた。

 その日、リュカーナは伊娃に処女を捧げたのだ。

 焦がれた。

 朝も夜も身体を重ねあって飽きるどころかますます渇くように身体を重ねた。殺戮の快楽すら、これには及ばないと思った。剣すら捨てて良いとさえ思った事も幾度もあった。


 でも、彼女は去って行ったのだ。自分を捨てて・・・・・・。





「おい?」

「・・・・・・。」

「リュカ?」

「・・・・・・あ?」

「どーしちまったんだよ、急に動くの止めて。疲れたかい?」

 ふと、気がつくと身体を重ねたまま心配げに覗き込むラディアンスの顔があった。

「あ、大丈夫ですよー。ちょっと考え事を・・・ホント、大丈夫ですから。」

 慌てて動き直そうとするリュカーナを無骨ながらも優しく制して、ラディアンスはリュカーナの胎内からドラゴンペニスを引き抜いた。二人の粘液にまみれた赤銅色のペニスは、満足を知らぬように尚更熱く、硬く反り返る。

「ちっと身が入ってないみたいだね。休憩すっか?」

 苦笑しながらも慈しみを感じさせるラディアンスの言葉に、リュカーナは何も言えずそのまま俯いた。ラディアンスもそれに何か言葉をかけるでもなく、しばらく沈黙が続く。

「ねぇ・・・・・・ラディ姐?」

「ん?何だい?」

 巨大な寝台・・・・・ラディアンスは下半身が巨大な四足の竜となっているため、横臥して眠らなければならない。その為に、ラディアンスに与えられたベッドは普通のキングサイズのベッドの更に数倍ある・・・・・・に身体を横たえたラディアンスにリュカーナはぽつりと呟いた。

「ラディ姐は・・・・・・何かに溺れたことってありますか?」

「また難しいこと聞くね?アタシはそう言うの苦手なんだよ。」
 困ったようにごりごりと頭をかきながらも優しげな表情でラディアンスは答えた。

「さっきから聞きかけて止めてたのはその事だったのかい?」

「・・・・・・・・。」

「そりゃぁアタシだってそういう事もあったねぇ。でも今は違う。」

「何で・・・・・でしょう?」

「そうだなぁ・・・勿体無くなった・・・・・・。が一番合ってるかな?」

「勿体無い・・・。」

 リュカーナは、記憶の中の伊娃の言葉を思い出していた、彼女も同じ事を言っていたのだ。

「あぁ。一つの事に溺れちまってどっぷりのめり込む事ってあると思うけど、それって周りがまったく見えなくなるじゃないか。それって、凄く勿体無いんじゃないかってふと思ったんだよ。だって、そーだろ?世の中にゃ楽しいことはいくらだって有るし、一番好きな事だけやってそれを見逃すってぇのも癪に触るじゃぁないか?」

「・・・・・私も・・・・・・あるんです。いえ、今も溺れているのかもしれない。良く・・・・・・わからない。」

「分からない?」

 怪訝そうな表情を浮かべるラディアンスにリュカーナはぽつりぽつりと答えていく。

「自分が分からないんです。好きなのか・・・・・・・・・それとも憎いのか・・・・・・。今までは敵だったから、憎もうと思ってました。聖戦で・・・・・・そうでなくとも鉢合わせすれば切り刻んで犯してやる・・・・・・って、それができる自信もあったんです。でも・・・・・・敵じゃ無くなった・・・・・・。」

「・・・リュカ。」

「ラディ姐、私どうしたら良いんだろう・・・・・・?」

「・・・・・・行ってきな?」

「・・・・・・。」

「リュカもヴァイアランス、あいつもヴァイアランス。だったら肌を重ねるのが一番手っ取り早いんじゃないのかい?」

「・・・・・・・・・でも、ラディ姐・・・。」

「言わなくても良いさ。リュカが不器用なこたぁアタシが一番良く知ってるからね。」

 ラディアンスは大きな掌でリュカーナの髪をくしゃくしゃと撫で回して、全部分かっていると言わんばかりに、にっと牙を見せて笑った。

「・・・その言い方は無いんじゃないんですかぁ?」

「ほら、自分の戦士がそんな情けない顔してっとザラ様が嘆くよ?しゃんとしてほら、さっさと行ってきな!」

 ラディアンスは思いっきりリュカーナの形の良い尻をひっぱたくと、ベッドの外に押し出してやる。

「きゃいっ!?いった〜い・・・それじゃラディ姐、帰ってきたら埋め合わせしますね〜。」

「おう、アタシの穴にしっかり埋め合わせしてもらうよ。」

 ラディアンスの返事に、リュカーナは吹っ切れたような笑みを見せると蛇の身体をうねらせて部屋から出ていった。お尻はヒリヒリしたが、心はすっかり軽くなっていた。





 ついこの間まで聖戦が行われていたこの場所も、宴が終焉を迎えた今では闇と静寂だけがその主人となって全てを包んでいる。

「リュカーナに呼び出されるとは思ってなかったわ・・・愛人(アイレン)?」

 伊娃は呼び出したリュカーナに昔と変わらぬ謎めいた笑みを見せた。

 リュカーナは迷う事無く、考えていた言葉を切り出す。

「私と・・・・・・戦ってもらえませんか、エワ姐?」

「・・・・・・聖戦は終わったわよ?」

「そうですね、終わりました。そういう意味ではこれは私闘です。・・・・・・でも。」

「・・・・・・でも?」

「これは私にとっては、聖戦と同じくらい意味のある戦いだと思ってますから。」

 そう言い放つとリュカーナはブーゲントラウムブリンゲナーを抜き放って構える。

「諾・・・・・・そう言われては、応えるしか無いわね、手加減はしないわ・・・。」

 伊娃も応えるように刀を抜き放った。二つの邪剣の気が互いを恋慕うかのように、共鳴し、悲鳴をあげる。その嵐の中で二人はまったく同じ笑みを浮かべていた。


 まごうことなき剣士の笑みを。


「行きますっ!」「行くわよ!」

 蛇の身体がうねると、バネ仕掛けのように互いの身体を飛び出させる。

 力の限り、その刀を連撃として叩き付ける伊娃。ティー・トゥー・イェンより手ほどきを受けたその刀術はただの力任せでは無く、リュカーナの反撃を封じ込め、隙あらばその剣ごと叩き切ると言わんばかりに激しい嵐のように吹き荒れた。

 無呼吸のまま繰り出される激しい連撃と、戦いの興奮で二人の顔は紅く染まっていく。その光景に互いに欲情し合いながら、二人は激しく剣を互いに叩き付ける。

 リュカーナも伊娃の斬撃を、凌ぎ、受け流し、相手の力を利用した反撃を伊娃に加えようとする。流麗ながらも凄まじい膂力を秘めたその剣は流石の伊娃も連撃の手を止めて防御するしか無いほどだった。

 リュカーナが蝶のように翻って斬り込めば、伊娃は蟷螂の鎌のように鋭く蝶を抑え込み、伊娃が猛禽の爪のように刀を振り下ろせば、リュカーナは禽獣の牙のように剣を跳ね上げて迎え撃つ。

「殺ァっ!!」

 膠着した戦いを嫌うように伊娃は渾身の斬撃を繰り出す。その斬撃はリュカーナも見た事の無い凄まじい気迫が込められた必殺の一撃だった。

「・・・・・・・・・そこだぁっ!!!」

 リュカーナは、その斬撃を地面にぴったり張り付く事で躱す。リュカーナの鍛え上げられた蛇の下半身は、人間に無理な体勢も易々ととる事ができる。伊娃と離れ離れになったあとも自らを鍛える事を忘れなかったリュカーナは、その蛇の身体をどんな体勢からでも攻撃を繰り出せる筋肉の綱としていたのだ。相手の渾身の一撃を見極めたリュカーナは、伊娃に次の行動を取る事を許さなかった。

びゅるるるっ!!

 自らの肢体を伊娃に絡ませて、リュカーナは伊娃を大地に引きずり倒し、魔剣を首につきつけた。

「私の!勝ちです!!」

「・・・・・・そうね。あなたの物になさい。」

 慈しみをたたえた眼差しで伊娃はリュカーナを見つめる。

(あぁ・・・・・・この人は私を捨てたんじゃ無いんだ・・・きっと。)

 確信となって広がる気持ちに背中を押されるように、リュカーナは自らの肉剣を思い切り突き込んだ。

「呀ァァァァァァァァッ!!!」

 甘やかな断末魔の声をあげる伊娃に、リュカーナはトドメを刺すように激しく腰を打ちつける。

ばちゅ!!ぐちゅ!!ぼぐぅずぼっ!!ずぶぼちゅっ!!ばちゅん!!ぢゅぐんっ!!

「はうおっ!!・・・・・うぉ・・・・・・ぁあ・・・・ふあぁっ・・・・・・ぃに・・・・・・・・・くぁああああっ!!」

 二つの蛇体が縄をなう様に絡まり合い一つとなる。上半身も蛇体と同じように、腕を絡ませ、思い切り抱きしめ唇を貪り合う。地面を転がりながら、天地の区別もつかなくなるほど二人は激しく求め合った。

ぢゅがちゅっ!!ぐぼん!!ぶぢゅぶちゅぐぼっ!!ずぶぼちゅぐぶぶっ!!

「あぁっ!!エワ姐っ!!・・・・・・もうっ!!」

「はぁああっ!!愛っ・・・・・・・れ・・・・・・人っ・・・・・・・リュカーナっ!!」


『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!!!』
びゅちゅぶりゅりゅっ!!!どびゅちゅぶちゅばちゅびゅくびゅくどびゅるる・・・っ!!!


 同時に二人の肉剣が爆発した。切っ先を伊娃の子宮に埋め込んだリュカーナは、思い切り身体を痙攣させ、二人のしなやかな腹筋に包まれていた伊娃の肉剣は、二人の上半身を純白の粘液で染め上げた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・はぁっ・・・・・・・・え・・・・・・エワ姐・・・・・・有り難うございました。」

 快感の余韻にひたること無く、リュカーナはその身を離すとその場に立ち上がった。

「・・・・・・・・・・・・・・良いの?」

 倒れ込んだままの伊娃の言葉に、リュカーナは照れ笑いを浮かべながら答える。

「良いんです。待ってる人がいるもんですから。」

「・・・・・・そう。」

 そのまま去って行くリュカーナを倒れたままで見送ったあと、伊娃はしばらくそのまま天井を見上げていた。

「溺れたのは・・・・・・私も同様だったわよ、愛人。」

 口の中で呟くとゆっくり身を起こし、伊娃もその場を後にした。

 我知らず、伊娃の口元には暖かな微笑が浮かんでいた。





「・・・ただいま戻りましたぁ〜って、ラディ姐っ・・・・・・!!」

「う・・・・・・りゅ、りゅ、リュカっ?」

 意気揚々と帰ってきたリュカーナが目撃したのは、我慢しきれずに自慰をするラディアンスの姿だった。

「・・・・・・・・ぷ・・・・・ぁはははははは!!きゃははははははっ!!」

「わ、わ・・・笑うな!!途中で止めてたから我慢できなかったんだよっ!!」

 腹を抱えて笑い転げるリュカーナに、赤銅色の肌を更に真っ赤に染めて怒鳴り返すラディアンス。

 リュカーナが腰が抜けるまで「埋め合わせ」をさせられたのは言うまでもない話だった。