ルキナ&ザラの章・5
 (玄魔)

 第三階層亜層。


「……!? 何ですの? この暑苦しい闘気……」

「これは……セルージャ? あれ? 違うな、イェンかなあ?」

「フン…強大であるのは認めますが、エレガンスに欠けますわね」


 二人の守護者は、今し方吹きつけてきたすさまじい霊圧の来た方向……上方を見やり、それぞれの言葉で呟いた。どのみち、呟く以上のことをする力など大して残っていなかった。

 亜層の天の彼方、次幻樹の根は、不吉な軋みを上げていた。




〈セルージャの章・6に続く〉