■地下聖堂ショートストーリー   リビングファントム 03

 RebisとKOBAさんとのコラボ企画でお送りする、新キャラSSをお楽しみ下さい。

(静音キャラ原案&テキスト:KOBA キャラデザ&CG:Rebis)


 塵1つ落ちていない石造りの廊下を歩きながら、静音は首に巻かれたチョーカーを指先でなぞっていた。

 それは、彼女の主であるザラに付けられた物である。
 数日前、ザラの寝室に忍び込み、そこで行われていた淫らな交わりに欲情して、自分を慰めていた所を彼女に見つけられ、捕えられたのである。
 いや、捕えられたというよりは、ザラに拾われたと言った方が適切だろう。
 その魂に刻み込まれた穏形刻印の効果によって、静音の存在は、この世界の誰からも感知できない物となっていた。
 生きた幽霊・・・リビングファントムとして、誰にも意識されない孤独な世界に生きていた静音は、自分の姿をはっきりと知覚してくれた初めての存在、ザラによって、初めて他人の温もりを知ったのである。
 静音はこうして、ザラのもとでメイドとして暮らし始めた。

 しかし、ここでちょっとした問題が持ち上がった。
 特殊な穏形刻印を、霊体そのものに施されている静音の姿は、神殿内でもごく一部のものしか知覚する事が出来ないのである。
 メイド達にそこまでの魔力や霊力がある訳も無く、同僚達には静音の存在は全く感知できなかった。
 それでは何かと不具合がある為、ザラがマジックアイテムをプレゼントしてくれたのだった。
 ザラの魔力を持ってすれば、穏形刻印そのものを消し去る事もあるいは可能なのかもしれないが、『それでは面白くないですわね・・・』というザラの一言で、穏形刻印の効果を弱めるアミュレットの一種を常時身に着けるように命じられたのだ。
 ザラの好きな色である真紅の宝石を真ん中にあしらった、首輪状のアミュレットだった。
 静音が身にまとっているのは、神殿のメイド達の服である。



 非常に動きやすく、機能的に作られているので、静音はこの格好が気に入っていた。
 ただ、少し恥ずかしく思うのは、メイド服の股間の部分であった。
 両性具有者の証であるペニスと秘裂を、ことさら強調するデザインなのである。
 肌にぴったりと密着するため、性器の輪郭がくっきりと浮かび上がってしまう。
 伸縮性と通気性に富んだ素材を使っているため、不快感は無いのだが、どうしても他人の視線を意識してしまうのだ。
 それまで、他人の視線を気にした事の無かった静音にとっては、誰かに見られるというのは、とてつも無く恥ずかしい事だった。
 と、同時に、自分が誰かに認識されているという事への喜びもこみ上げてくる。
 彼女はもう、孤独ではないのだ。

 今、静音が向かっているのは、数日前に運命の出会いの場となった、ザラの寝室である。
 磨き上げられた石の床を踏んでいた静音の足は、いつの間にか真紅のカーペットの上を歩んでいる。
 いつ、石からカーペットに変わったのか、静音の感覚をもってしても判らなかった。
 しかし、これだけは判る。
 ザラの寝室は、もうすぐだ。
 高まる期待に頬を染め、右手を胸の鼓動を確かめるように心臓の上に当てて歩む静音は、背に一振りの忍び刀を背負っていた。
 妖刀、『霧風』。
 魔性の技で作られた、擬似生命を宿す刀である。
 その表面組織を液体金属に変える事により、恐ろしく長い剣にも、槍にも、また、侵入時に鍵を開けるのにも、ロープの代わりにも使える万能の武器であった。
 普段は私室に置いてあるのだが、今夜はザラの命令で、剣を携え、その寝室に呼ばれていた。
 あの日・・・静音がザラによって、初めて他人の温もりを教えられたあの日・・・歓喜に震え、快楽に泣き狂いながら何度も射精し、ザラの迸りを口腔内で受け止め、飲み干したあの日・・・結局、静音はそのまま失神してしまい、気がつくと、あてがわれた個室のベッドに寝かされていた。
 『今夜はあの続きをいたしましょう』
 そう、ザラは言ったのだ。
 だから、静音は期待に胸を高鳴らせている。
 メイド服の股間には、すでにはちきれそうに勃起したペニスのシルエットがくっきりと浮かび上がっていた。
 あの晩以来、静音はオナニーを禁じられ、禁欲させられていた。
 全ては今夜の為だった。
 既に射精の欲求は耐えがたい所まで静音を追い詰めていたが、彼女はザラの言い付けを頑なに守り通していた。
 それが静音の、忠誠の意思表示だった。

 やがて、目の前に見事な装飾を施された巨大なドアが現れる。
 ザラの部下には、三メートルを超える巨体を持った獣人もいる。
 そうした巨体でも、何不自由なく通過できる高さと幅を持った扉だった。
 少し震える手で静音はノックする。
「・・・静音です・・・お呼びにより、参上つかまつりました・・・」
 忍び時代の喋り方がなかなか抜けない。
 音も無くドアが開く。
「・・・失礼いたします」
 こちらも全く足音を立てずに入室した静音は、巨大なベッドに腰掛けている彼女の主人・・・ザラの姿を視界に捉えていた。
 既に一糸纏わぬ姿で、巨大なベッドに腰をおろしている。
 輝くような白い肌と、波打つ真紅の髪、豊かな釣鐘型の胸。
 その頂点で、鮮紅色に色付いた乳首。
 そして、その股間からそそり立つ雄大とも表現できそうなペニス。
 それらの全てが静音の視界に飛び込んでくる。
 ズキン!と、胸と股間が疼く。
(美しい・・・わたし如きが、この方の夜伽を勤めていいのだろうか・・・)
 他人に評価された事が無いので、自分の容姿に自信を持っていない静音は、ザラの美貌に少し気圧されていた。

「いらっしゃい・・・ちゃんと刀も持ってきましたわね・・・さあ、この部屋では着ているものは全て脱ぎ去るのがルールですのよ。お脱ぎなさい」
 ザラの声は柔らかく、耳に心地いい。
 それでいて、絶対に逆らえない『何か』を含んでいた。
 命じられるままに、静音は全裸になっていた。
 すらりと長く、躍動感に溢れた両脚、たくましい両腿、引き締まった腹部、まろやかなラインを描きながら前に突き出した胸、そして、その股間にそそり立ち、快感の予感にひくついているペニス。
 その全てを、主であるザラの前にさらし、静音は頬を染め、かすかにうつむいて立っていた。
 その手に握られた一振りの刀が、一種異様な妖艶さをかもし出している。
「さあ、この前の続きをいたしましょう。今宵はわたくしとあなた、二人っきりでね・・・」
 ザラのその言葉を聞いただけで、静音の秘裂が熱く疼き、濡れ始める。
 たまらない快楽の予感が静音の裸身を震わせていた。
 いつの間にベッドに歩み寄ったのか、自分でも判らなかった。
 気がつくと、柔らかなベッドに仰向けになって、ザラの下に組み敷かれていた。
 頬が燃えそうに熱い。
「ふふっ、震えてらっしゃいますのね・・・怖いんですの?」
 ルビー色をした静音の瞳を覗き込みながら、ザラは言う。
「・・・いっ・・・いいえ・・・わたし等が、ザラ様の夜伽を勤めてもよろしいのですか? 何だか、恐れ多くて・・・」
 自分を見下ろすザラの美貌に陶然となりながら、静音は応えていた。
「わたくしはそれほど高貴でも、神聖でもありませんわ・・・ただ、快楽の神のご加護が他の方々よりも少しだけ強い、それだけですのよ・・・そして、今宵はわたくしがあなたにとっての快楽の神・・・さあ、始めますわよ」

 ふわり、と、ザラの身体が覆い被さってきた。
 見事なサイズと柔らかさを持ったザラの胸が、静音の胸をすっぽりと覆い尽くす。
 まるで狙い済ましたかのように乳首をコリコリと擦れ合わせながら、静音の乳房はザラの乳房に覆われてソフトにこね回される。
 お互いに蕩けあってしまいそうに押し付け合った柔らかな乳房の頂上で、硬くしこり立った乳首同士が互いの柔肉の中に押し込まれてグリグリと転がされる。
「ふわぁぁ・・・」
 信じられないほど柔らかな乳房に乳首を包まれて転がされる、あまりにも甘美な刺激に、少し硬かった静音の表情が一瞬で蕩けていた。
 熱く火照った静音の身体を覆い尽くさんばかりに身体を密着させ、ザラは全身で静音の官能を高め、蕩けさせてゆく。
「ほら、聞こえるでしょう?わたくしの心臓の鼓動が・・・温かいでしょう、わたくしのおっぱい・・・あなたの心臓の鼓動も、わたくしに伝わっていますのよ」
 巧みに上半身をくねらせ、自らの豊かな胸で静音の胸をソフトにこね回しながら、ザラは耳元にささやきかける。
 静音はザラの首に腕を回してすがり付き、初めて味わう感触に酔いしれ、すすり泣く。 ほんの一分足らずで、静音はザラの技巧の虜になっていた。
 その股間で、はちきれそうに勃起した静音のペニスと、それよりも更に大きなザラのペニスが、クリッ!と、擦れ合う。
「んっ!」
「ふわぁぁ!」
 股間から走った鋭い愉悦に、両者が同時に快楽の声を上げる。
 ザラにとっては単なる刺激に過ぎなかったが、他人に愛撫される事にまだ慣れていない静音にとっては、それは止めの一撃となった。
 数日間の禁欲で、限界まで溜まりきっていた精液が、その刺激で決壊していた。
 下腹が引き絞られるような、たまらない疼きを伴って、輸精管を濃厚な精液が駆け抜けてゆく。
「あっ! やっ! ああっ! ・・・出ちゃうっ! ごめんなさいっ! 出ちゃうっ! 」
 静音が声を裏返らせて叫びながら身を強張らせると同時に、ザラの下腹に押し付けられたペニスが激しく脈動し、熱い迸りが二人の腹を濡らす。
 予想外に早かった静音の爆発にも動じる事無く、ザラは下腹を熱く濡らす精液の感触と、ペニスの脈動を楽しみ、恍惚の表情を浮かべる静音の顔を満足げな表情で鑑賞した。


 一分近く射精は続き、やがておさまっていた。
「あ・・・あ・・・あぁ・・・」
 静音の情け無さそうな喘ぎと同時に、ザラは密着していた身体を離していた。
「あんっ!・・・もう出してしまわれましたの?まあ、禁欲の言い付けを守っていたようですから、我慢できなくても仕方ありませんわ。でも、粗相をした罰は与えないといけませんわね」
  射精の快感で放心状態になっている静音の上に上体を起こし、腹部を濡らす濃厚な粘液を指先で掬い取って味見しながらザラは微笑む。
 その表情には、本気で怒っているのではなく、プレイの一環として何かを思いついたらしい、悪戯っぽい笑みが浮かんでいた。
 ザラは髪の毛状の触手を伸ばし、壁に立てかけてあった静音の愛刀を引き寄せると、すらりと抜き放つ。
 その動作の優雅さは、武器を扱い慣れた物の動きだった。
「あ・・・な、何を!?」
 ザラがいきなり刀を抜いたので、静音は射精の余韻で甘く痺れた身体を起こしながら少し不安げな顔をする。
「ふふっ、そう不安がらなくてもよろしくってよ。あなたは少し早漏気味なので、漏らさないように軽く縛るだけですのよ、そう、軽く、ね・・・」
 ザラが刀に軽く魔力を送り込むと、刀身にふつふつと水銀の雫のような液体金属が浮かび上がり、やがて細い流れとなって滴り落ち始めた。
「ひんっ!・・・凄い・・・」
 腹の上に垂れ落ちる液体金属の冷たさに身震いしながらも、自分以上に妖刀を使いこなすザラの魔力の大きさを、改めて感じる静音であった。
「あっ!・・・やっ!・・・何っ!」
 流れ落ちた液体金属は、細い縄状になって静音の身体を縛り始めていた。
 両手、両脚に巻きついた金属触手は、静音をM字開脚の形に固定し、更に乳房の根元にも巻き付いて突出させる。
 最後に、一度の射精では全く萎えずにそそり立っているペニスに巻きつき、根元を締め上げて射精を封じていた。
「くあぁぁぁ!」
 静音は痛みと紙一重の、強烈な快感にのけぞる。
 射精直後の敏感なペニスにキリキリと食い込んでくる金属触手の感触に、静音の中で再び射精のスイッチが入っていた。
 根元を縛られたペニスがビクビクと痙攣し、射精の脈動を開始するが、わずかな量の先走りが零れ落ちるだけだった。
「またイってらっしゃるのね。敏感なのはいい事ですわ。ふふっ、こちらを愛されるのは今夜が初めてですわね」
 大きく広げられた静音の股間を覗き込み、ピンクの秘裂をしばらく鑑賞したザラは、ぺロリ、と、軽く舐め上げていた。
「ひっ!・・・きひっ!」
 それだけで静音は再びエクスタシーの波にさらわれる。
 小さくすぼまった膣口がヒクヒクと蠢き、濃い愛液がトロリと溢れ出していた。
 そこにザラの舌先がヌルリと潜り込む。
「きゃうぅぅ・・・」
 子犬のような声を上げた静音は、挿入されたザラの舌を締め付けながら新たな絶頂の波に身を震わせた。
 膣口が強烈に収縮し、内部で蠢くザラの舌を締め付け、奥へといざなうように蠕動する。
「ちゅぽっ・・・ふふっ、凄く具合が良さそうですわね。では、早速あなたの処女を頂きますわ」
 音を立てて舌を引き抜いたザラは、大きく割り広げられた静音の脚の間に腰を割り込ませ、ペニスの先をあてがう。
「ふぁぁ・・・」
 静音は目元に喜悦の涙を浮かべ、身を強張らせる。
「息を吐きなさい」
 ザラは命じながら、ゆっくりと腰を進めてゆく。
 子供の拳ほどもある亀頭部が、静音の膣口をこじ開けて進んでゆく。
 やがて先端が処女膜を捕えていた。
「んあぁ・・・」
 静音は腰をせり上げるようにしながらのけぞる。
「行きますわよ」
 ザラは一気に腰を進めていた。
「ひいぃ!」
 一気に子宮を突き上げられた静音が引きつった声を漏らす。
 ザラはしばらくそのまま動かずに、静音の身体を走った破瓜の苦痛が和らぐのを待っていた。
 その間に、両手でうっすらと汗に濡れた静音の裸身を撫で回し、緊張をほぐしてやる。 頃合良しと見たザラの腰がゆっくりと動き始めた。
 狭い膣道にぴったりと密着したペニスが動く度に、大量の愛液が掻き出されて滴る。
 始めは破瓜の血が多少混じっていたそれは、やがてうっすらと白濁し、深い官能を示す濃厚な愛液に代わっていた。
 抜き差しされる度に、絶頂の波が静音を襲っていた。
 敏感な肉ひだをカリ首が擦り立て、子宮を突き上げるたびに、硬く閉じられた静音のまぶたの裏側に極彩色の火花が散り、全ての感覚がザラに貫かれた秘裂に収束してゆく。

「んぁぁ・・・あんっ・・・ふんっ・・・くうぅん・・・」
 やがて、静音は鼻にかかった喘ぎを漏らし始めた。
 貫かれた瞬間の痛みも既に無く、深い快感だけが静音を支配している。
「せっかくですから、こちらも愛して差し上げますわ・・・」
 そう言ったザラの赤い髪が束ねられ、擬似ペニスを形成してゆく。
 ザラのペニスに押し広げられている膣口の下に息づくすぼまりに、擬似ペニスがあてがわれた。
「ひんっ!そっ、そこはぁ!」
 何をされるのか悟った静音は声を裏返らせ、恥ずかしげに身をくねらせようとするが、金属触手に拘束されているため、思うように動けない。
「こちらの処女も奪って差し上げますわ・・・その為には少しほぐしておかなくてはね」 恥ずかしさと快感の板ばさみに身悶えする静音を更に責め立てながら、ザラは巧みに髪の毛触手を操り、静音の快感を高めてゆく。
 しばらくすぼまりをこね回すようにしてほぐした擬似ペニスは、ゆっくりと左右に捻りを加えながら挿入を開始していた。
「きひぃぃぃぃ!」
 不浄の部分を自分の主に犯されるという、背徳的な愉悦に、拘束された静音の裸身がわななく。
 更に、数分に一度の割合で射精の脈動を繰り返していたペニスの先端に、液体金属の触手が潜り込み始める。
「ふわぁぁぁ!そっ、そんなにされたらぁ!狂っちゃうっ!狂っちゃうよぉ!」
 快楽の上に更に重ねられる快楽の責めに、静音は恐怖すら感じながら壮絶によがり狂っていた。
「ふふっ、大丈夫ですわよ。もし壊れても、すぐに治して差し上げますから、思い切りよがり狂いなさい。ほおら、何も判らなくなるほどの快感でしょ?」
 ザラは静音の胎内を掻き回すペニスの動きを更に早めながら、直腸内にねじ込んだ髪の毛状の触手の束を左右に捻り、新たな性感を開発してゆく。
 尿道内に侵入した金属触手は、射精封じの触手によって塞がれた部分にまで到達していた。
 そこで止まるかと思った触手は、何度か短いストロークで尿道内を刺激し、新たな射精の衝動に静音の裸身をわななかせてから、更に奥を目指す。
 触手の通過に合わせて、ペニスを締め付けていた金属触手が一瞬、緩んでいた。
「はあぁぁぁんっ!」
 触手が緩むと同時に、それまで耐えに耐えてきた放出の欲求が一気に静音を襲う。
 静音の腰がくいっ!と突き上げられ、熱い精液が精管を走り抜けようとするが、一瞬早く、尿道から侵入した液体金属がそれを押し戻しながら逆流してゆく。
 静音のペニスが今までで一番激しい脈動を起こし、逆行してくる液体金属を押し戻して射精しようと跳ね回る。
 しかし、侵入する勢いの方が強く、ついには精巣内にまで侵入した液体金属は、そこに溜まり始めた。
「んあぁぁぁぁ!」
 精巣内に異物を注入されるという異様な快感でさえも、ザラのペニスに蹂躙される胎内の絶頂感を高めるためのスパイスとなっていた。
 何処までも突き抜けていくような絶頂感。
 絶頂に更なる絶頂が重なり、無限に続く絶頂の嵐が、静音の中で荒れ狂っている。
 それだけが、今の静音を包んでいた。
 液体金属を使って行う自慰では、決して得られない、壮絶極まりない快感だった。


 ザラは荒々しく腰を使い、静音の子宮をこね回しながら、タイミングを計っていた。
 彼女自身も、強烈な静音の締め付けと、快楽に我を忘れて泣き狂うその姿に昂ぶり、いつ射精しても不思議ではなかったが、それを強靭な意志力で耐えていた。

(もうそろそろですわね・・・あまりよがらせ過ぎても、精神が耐えられませんし)

 静音の泣き声がかすれ、呼吸も切れ切れになってきたのを悟ったザラは、フィニッシュに向けて腰のストロークを早める。

「静音!・・・イきますわよ・・・あなたの中に・・・んっ!・・・出しますっ!」
 静音の子宮に押し当てられたザラの亀頭部がグン!と、膨らみ、次の瞬間、灼熱の精液が脈動とともに迸っていた。
 ザラの射精と同時に、静音の精巣内まで犯していた液体金属が引き抜かれてゆく。
 今までの射精などとは比べ物にならないほどの快感が静音を襲っていた。
 引き抜かれる触手を追うように、溜まりに溜まった熱い精液が駆け抜けてゆく。
 静音の裸身が声無き絶叫とともにのけぞり、尿道口から触手が抜けると同時に、噴水のように白濁液を噴き上げていた
「くうぅぅぅぅっ!」
 静音の射精と同時に、ザラのペニスも強烈に締め付けられ、二度目の射精の衝動が彼女を襲う。
 二度にわたって灼熱の精液を子宮に注がれた静音は、意識を吹き飛ばされて動かなくなった。


 しばらく余韻を堪能したザラは、静音の拘束を解き、あどけないとさえ言える表情を浮かべて失神している彼女の身体を優しく撫で回していた。


 静音は夢を見ていた。

 とても幼い頃・・・穏形刻印を施される前の自分・・・誰かの胸に抱かれてまどろんでいる。
(母?・・・違うな・・・誰だろう・・・)
 実際、物心ついてから、彼女の人生はひたすら忍びとしての鍛錬に明け暮れる毎日だった。
 こういう安らぎに満ちた時は無かった筈なのだが・・・。
 緩やかに眠りの中から浮上してゆく感覚があった。
 しかし、誰かに抱かれている温もりは薄れない。
「・・・あ・・・」
 目覚めた静音は、自分がザラの胸に抱かれているのに気付いた。

「んっ・・・ようやくお目覚めですのね・・・」
 静音を抱いてまどろんでいたらしいザラの声がする。
「はっ!・・・もっ、申し訳ございませんっ!・・・お粗末様でございましたっ!」
 静音は慌てて身を離しながら言う。
「ふふっ。お粗末どころか、とっても楽しませていただきましたわよ。明後日の伽もあなたに申し付けます。よろしいですわね?」
「はっ!はいっ!恐悦の極み!謹んでお受けいたします・・・」
 昔の癖で、床に平伏してそう言う静音に向けたザラの表情は、ひどく穏やかなものだった。
(わたしはこの方に仕える・・・この身も、心も・・・魂もこの方の為に・・・)

 そう、心の中で誓う静音の瞳の中には、既に孤独の影は無かった。

 

Fin

Main