立て続けの衝撃が、ヴィランデルの脳を揺らした。
組み付き、投げる。ただそれだけの単純な動作で、2mを越すヴィランデルの巨体が優に10mは投げ飛ばされる。
四度目の落下で、ヴィランデルは吐き出す空気すら失って悶えた。
強い。
初戦で犯された精の後遺症と、先ほど出し尽くした己れの精力を考えてもなお、ジェナは強い。
頭を振り、立ち上がろうとしてよろめき、近寄る影にレーザーの銃口を向けたヴィランデルに、再びジェナは組み付いた。
左腕の下をくぐって背後を取る。太い両腕がガッシリとヴィランデルの腰に回される。再び回転を始める天地。
五度目の衝撃に備え、ヴィランデルは頭部をかばって受け身の態勢を取った。
衝撃。
だが…それは、脳天を襲ったものではない。
まったく逆方向から襲った熱い一撃が、ヴィランデルを貫いた。
「馬鹿なッ…こ、こんなッッ……ひぐっ!!」
驚愕の言葉すら、快楽の怒濤に飲み込まれた。
背後へと投げを打つ形でアーチを描いたジェナは、しかしヴィランデルを放ることなく、あろうことかその勢いのまま自分のペニスを突き入れたのだ。
ヴィランデルの体重は100kgを越える。それをブリッジの態勢で捕らえ、ジェナは激しいバネで腰を突き上げる。
信じられない膂力。そして、信じられないほどの快感。
自分の体が浮き上がり、重力に引かれて落ちる。逞しい腰と、巨大なペニスの上に。体重と速度とで強化された衝撃を、鍛えられ濡れそぼったヴィランデルの性器は、皮肉にも全て快楽として受け止めてしまう。
「くぅっ……ひぎっ…はッ…ぐううッ!!」
目を見開いたまま、ヴィランデルの巨体はジェナの上で躍った。一突きごとに体の中で爆発する雌の快感は、結びついた雄の器官すら絶頂に引き上げる。無尽蔵と言われるヴィランデルの精が、そのこと証明するかのように二人の上で立て続けに散った。
「打ち狂い合う肉の塔……美しいですわ……」
「ヴィル……」
陶然として自慰を始めるザラと、感情を見せずにペットの名を呟くルキナ。
ヴィランデルの中が溶けていく。子宮も膣も、いや自分の中にたぎる肉全てが、濡れ、溶け、震え、ジェナの剛根を歓喜して受け入れているように思えた。自分全てが性器になってしまったかのように。
光が見える。陶酔の彼方に見える、ヴァイアランスの輝かしい光が。
ヴィランデルが声も無く快楽の極みを迎えた瞬間。ジェナの腰が小刻みに震え、激しい射精が始まった。
射精の様が、周りにいる者達ですら見て取れる。ジェナの逞しいペニスが震え、血管が浮き立ち、膨れ上がり、収縮する。その度に尿道を駆け上がる精液の勢いが。ジェナの腹腔から流れ出すエキスの力強さが、全て見て取れるのだ。
恍惚とした表情で涙を流し、自分の中に注ぎ込まれる熱を感じていたヴィランデルが、ビクンと跳ねた。
ジェナがブリッジの態勢を解き、床にあおむけになったままヴィランデルを抱く。それでもヴィランデルは反応しない。ただ目を見開き、呆然と虚空を見つめている。
その体が震えだした。自分の下腹を抑え、見つめ、言葉を発しようと数度顎を動かす。
「……本能で悟ったか」
ジェナが愛しげにヴィランデルの手に指を重ねた。
ヴィランデルの中で、微かな、しかし鮮烈なぬくもりが、灯り、脈動を始めた。
染みわたるような充足感と喜びが、体中に広がっていく。
「ああ…」
ジェナに抱かれたまま、ヴィランデルは切れ切れに言葉を吐き出した。
「孕んだ。……お前の子だ」
戦士達がどよめいた。ヴィランデルの額とジェナの手の甲に、ヴァイアランスの紋章−−支配と被支配の−−が浮かび、消えた。控えていたパスナパが、気を失ってギルディアに抱えられた。
「神断は下されましたわ。ジェナの……私達の、勝ちですわね!」
誇らしげなザラの笑いが、祭殿に木霊した。
ヴィランデルは目を閉じ、自分を抱くジェナと妹の顔を思い浮かべながら、今は暖かなまどろみの中に沈むことを選んだ。
| CHAOS JYHAD 第一戦決着! 被支配のルーンを戴いたヴィランデルは一時的にジェナの支配下に落ち、現在持つポイントを全て吸収されます。 以降ヴィランデルへの投票は受け付けますが、復活の時が来るまで、そのポイントが陣営に足されることはありません。 なおこの結果は、翌日から対戦表に反映されます。 なお、2ページ目・二番目の挿し絵には、A・S・KさんからいただきましたCGを使用いたしました。 |