筋肉と脂肪で柔らかく引き締まった、ガウォーラの下腹。今そこでは、二本の未知の器官――ヴァイアランスの武器『ぺにす』が脈動している。
鋭い爪の先で触れると、わずかな痛みとむずがゆさが返ってきた。指で押せば想像以上に硬く、根本に強いバネを仕込まれたように反り返る。
「ザラ様、この武器は如何に扱えばよろしいのでござろうか?」
奇妙な息苦しさを覚えながら、ガウォーラは問うた。
「そうですわね…まずは、その武器の特性を知らねばなりませんわ。ザイナ、セリオス、扱い方を教えて差し上げなさい」
「おう! 任せときな」
「承知した」
戦士達の列から、格闘家ザイナ――間違いない、あれはアースト=セギーユの貴士だ――と、騎士セリオスが歩み出た。
ベルトで締め付けられたザイナの豊かな胸。そそり立つペニス。そして形良い乳房と筋肉が並ぶセリオスの肉体。
先ほどまでは強さの基準としてしか見なかったそれらが、今のガウォーラには何かとても胸をかき乱すものに思えた。
「ザイナ殿…セリオス殿、よろしく頼むでござる」
「ガウォーラ、か。青竜人ってのがいるとは聞いてたけど、まさかここで会えるとはな…よっと」
背の高い青竜人を見上げながら、ザイナは無造作にそのペニスを握った。
「っ!!」
瞬間、ガウォーラの身体に不思議な痺れが走った。
「極東の雷闘士……実在したか。しかし、見事な肉剣だ……」
セリオスは惚れ惚れとした溜め息を洩らすと、長い銀髪をかき上げ、パンでも食むようにもう一本のペニスを口にくわえた。
「かふぅっ!?」
暖かい粘膜と、ぬらつく舌、そして微かに固い歯の感触が、ガウォーラのペニスの先端を包んでいく。痺れは二本のペニスから腰全体に広がり、甘い脱力感が足を滑り降りた。
「こ……これ…はっ!? はあっ!」
思わず熱い息がこぼれる。武器……ヴァイアランスの武器とは、一体何なのだ!?
「お、いきなり口かあ。やるじゃねえか。じゃあオレは…っと、こいつだ!」
ザイナは乱暴に上着を脱ぎ捨てると、胸筋の上で豊かに震える球形の乳房を、ガウォーラの下腹に押しつけた。
あまりに柔らかく、弾力に満ちた肉の感触。それだけでも何かがおかしくなりそうだというのに、ザイナはさらに、唾液を垂らして胸を上下に揺すり始めた。
「ザラ様っ…! ザ、ザラ様ぁあっ……こ、これはっ…これは如何なるぅっ……!!!」
全身の筋肉が弛緩していく。鼓動が早まり、手足が瘧のように震える。武器を持ってこのようになるのでは、とても武術など……
そこまで考えた所で、二人の行為は激しさを増した。舌が絡み、喉の奥がペニスの先端を吸った。胸と胸の間でペニスが揉まれ、途方もない肉感で包まれた。
「おお……ぉぉ……おおおおおおっ!!!!」
肛門と膣口が激しく収縮し、ペニスが一回り以上大きく膨れ上がった。全身の力が腰の二点に引き絞られていくように、ペニスから何かが走り出た。
「ひぐっ! くっ、くうううううっ!!」
稲妻。そう、それは雷闘術の稲妻のようであった。
だが違う。稲妻の如き軌跡を描きながら、白く熱い液体が、ガウォーラのペニスから迸っていた。ペニスと下半身が脈打つたびに、初めて味わう快い感覚が脊髄を駆けた。
――これがッ…ヴァイアランスの攻撃か!?
ガウォーラはその威力を見定めようと、霞む視界で二人の戦士を見た。
だが、二人は歓喜を込めた表情で、ガウォーラが射出する液体を全身に浴び、あろうことか口に運んでいる。
「な…?」
完全に理解の範囲を越えた事態に、ガウォーラは脱力して膝を落とした。
「あ! …っと、もったいねえ……あああ」
急に高さが落ち、床に液体がまき散らされるのを見て、ザイナは残念そうな声を上げた。
「はあっ……はああっ…はあっ…ザ、ザ、ザラ…様っ……」
未だに息が整わないガウォーラは、それでも言葉を切れ切れに吐き出し、ザラの美貌を見上げた。
「せ、拙者未熟ゆえ、まったく…分かりませぬ。こ、こ、この…これが、武器とは、とても……」
「フフフ」
ザラは優美な笑い声を上げると、ガウォーラの前に歩み出た。
「そう。それはまさしく貴方が未熟なのですわ、ガウォーラ。このペニスの戦い方を、今から私が直々に教えて差し上げます。高さは…そのまま立て膝でよろしいですわね…」
ザラは手を挙げてザイナとセリオスを下がらせると、ガウォーラの腰に手を添えた。膝をついたガウォーラの巨体と、長身のザラ、その腰の高さは丁度合っている。
「……?」
熱にうなされたようになったガウォーラは、自分の股間――戦士階級のガウォーラは、そこが子を産む器官であることも知らない――にザラがペニスを押し当てるのを、ボンヤリと見ていた。排泄器官であるはずのそこは、尿とはまったく違う液体でぬるつき、ザラのペニスの先端を濡らしている。
「行きますわよ」
ザラの腰骨が、ガウォーラの骨盤に叩きつけられた。
「ぃぃぐっ!!?」
一撃。
その瞬間ガウォーラの逞しい肉体は、灼熱する稲妻に真っ二つに引き裂かれた。稲妻は股から撃ち込まれ、内臓と背骨を引き裂き、脳天に抜けて意識を八つ裂きにした。
――死ぬ…!?
何が起きているのかも分からないうちに、ガウォーラは死を覚悟した。白目を剥いた眼球からは涙が溢れ、身体は死の痙攣に震える。
拙者は…死ぬのか? ヴァイアランスの奥義を修めることも出来ず、ただその威力を見せつけられただけで、死ぬのか……
死の淵に沈み込みながら、ガウォーラはザラの柔らかい髪に顔を埋め……ふと、自分の身体がまだ生きて繋がっていることに気付いた。
「こ、これ…は…?」
息を震わせながら問うガウォーラに微笑み、ザラは視線で二人の股間を示した。
そこでは、あの『ぺにす』が、ガウォーラの胎内に深々と突き刺さっていた。青い出血がザラのペニスを這い、そこが傷ついていることを教えている。だが、とても致命傷とは言えない。たったこれだけの傷で、魂も消し飛ぶ程の衝撃を与えたと言うのだろうか。
「まだまだ。これからですわよ」
「え? ザ、ザラさ…っ…ぐっ、ぐあああぁぁぁぁ!!!」
長い柳眉を上げ、残酷な笑みを浮かべたザラは、ガウォーラの傷口をえぐり回すように腰を動かし始めた。
「ひっ…あああっ! ぐっ、くっ…ザラ様ぁっ、これ、これがヴァイア……きゅっ、きふうぅぅぅっ!」
ザラの硬直した『ぺにす』が自分の中で暴れ回り、脆く柔らかい肉をかき回す。内臓をえぐられる痛みと、それを遙かに上回る嵐のような痺れ。痛みは鈍痛に変わり、腹の中の熱いうねりに飲み込まれていく。その後に襲いかかるのは、魂を融かす忘我の感覚。まだそれが快楽だともガウォーラは知らない、愉悦の波。
「ぅう…ア…ザラ…さ……拙者…拙者はっ……」
下半身から押し寄せ、脳を侵すその感覚に翻弄されながら、ガウォーラはザラの体を抱きしめた。もはや為す術なく、ザラの加虐に耐えるしかない。
抜けていく力。股間から洪水の如く走り出ていく、透明な粘液。己がペニスから立て続けに撃ち出される白い稲妻。溶けていく魂。
――これが…これが、ヴァイアランスの威力なのか。
――魂までを…捕らえるというのか。
「ヴァイアランスの奥義はこんなものじゃありませんわよ、ガウォーラ。でも、まずは軽く……んっ…!」
陶酔した表情でガウォーラを攻撃していたザラは、全身を小刻みに震わせると、あの白い稲妻をガウォーラの中に放った。熱い液体は胎内でみずみずしく跳ね回り、体の髄まで染み込んでいくようだった。
「…ぁ……はぁ……か、感服…仕り…ました…ザラ…様。こ、このガウォーラ…しょ、精進…いたすで…ござる」
床に倒れたガウォーラは、なんとか礼をしようと身悶えしながら、ザラに誓った。
「ええ、その誓い受けましょう、ガウォーラ。ヴァイアランスの奥義、極めてお見せなさい。ホラ、ではまずお稽古ですわ」
パン、パンとザラが手を叩いた。それに応え、戦士達の輪がガウォーラを取り囲む。逞しく美しい戦士のペニスは、いずれも硬く充血し、ガウォーラの身を貫くべく反り上っていた。
「稽古……お、お願いいたす……」
武芸の稽古…唯一の趣味だったそれを、しかしこれ程まで歓喜に満ちて行うのは……初めてだ。
大きく開いた股の傷口から、白く濁ったザラとガウォーラの体液が、一筋流れ落ちた。
六軸のカイロス極東、空中国家バシュバスト出身。青竜人独特のクラスである雷闘士(ギー=バジス)の将軍。武の道をひた走る、苛烈なまでの武人。
その美貌が不幸なことに(?)玄魔翁に認められ、武術の修行という名目でヴァイアランス神殿へと連れてこられた。ザラ以下全員がそのウソを承知で合わせているため、すっかり騙されている。もともと本人が真面目すぎるのもあるが……
身長3m近い体躯は、ジェナやラディアンスに匹敵するものであろう。根は案外気さくでいい人である。
さて! 玄魔さんのテキスト投稿以来Rebisもずっと楽しみにしていました、ガウォーラついにデビューなのです。
一時期はRebisも描きてーとか騒いでいたのですが、いやいや、これはこれは、Rebisが思い描いていたのよりもずっとカッコイイですね…完敗です。
りりしい眉毛、逞しい下半身、青い乳首……んー、もうこのセンスが最高です。キャラ性も合わせ、かなりおいしいキャラに仕上がったのではないでしょうか…。
玄魔さん、A・S・Kさん、ありがとうございました!