「バカみたい…バカみたい…私……」
カナディアを貫く寸前で、急に動かなくなった妹は、数刻してからうわごとのようにつぶやき始めた。
「どうした…レーナ…」
シャルリアンは、慌てて寝台に駆け寄った。しゃがみこみ、妹の美貌に顔を近づける。
妹は、泣いていた。
「あ、あのっ…レーナ様…俺っ…ごめんなさい…」
下になっていたカナディアが、戸惑いながらも、奴隷教育をされたゆえか…意味もなく謝り始めた。
しかしシャルレーナは、言葉にならない嗚咽を洩らしながら、激しく頭を横に振った。
「レーナ、落ち着け。お姉ちゃんに…言えるか?」
シャルリアンは妹を抱き起こすと、その熱く逞しい胸で頬を抱き、力を込めた。
乳房に妹の涙の感触が広がった。震え、取り乱してかけていたシャルレーナは…シャルリアンの抱擁の中で、すぐに落ち着きを取り戻した。
「私…私…」
嗚咽混じりに話す妹の言葉を、シャルリアンは根気強く待った。
戸惑い、半身を起こしたカナディアに無言でうなずくと、カナディアも小さくうなずき返して、シャルリアンの脇に静かに座した。
「今の…見たでしょ、お姉ちゃん…。私、カナディアだったよ……あの時…私に酷い事したカナディアと、同じ顔してた…」
シャルリアンを見上げたシャルレーナの顔は…さきほどまでの欲望に憑かれた表情ではなく、幼い頃に自分に泣きついていた時と同じ…シャルレーナの本当の表情に戻っていた。
「私も…自分にペニスがあって、自由に出来るコはいれば、喜んで酷いことするようなヤツだったんだよ。カナディアと…同じだったんだよ…! なのに私…カナディアには…自分なりに…仕返しもしてて……お姉ちゃんとも、ちゃんと結ばれてたのに……まだカナディアのこと……自分も、同じだったのに……」
涙を流して、言葉を捜す妹の前髪を、シャルリアンは優しく撫でた。
側で戸惑うカナディアは、そっとシャルリアンの太ももに手を伸ばし、安心したいように指に力を込めた。
シャルリアンは、カナディアの手に左手を重ね、右手では妹の背をさすり続けた。
「泣くな、レーナ…私だって、同じだ。この体になってからは…お前に欲情し続けて…カナディアに再会してからも、ずっと犯したいと思っていた。だから、そんなことに…」
「そうなの…そうだけど…違うの、そうじゃなくて…」
シャルレーナは涙をぬぐって、シャルリアンの胸に頬を押しつけながら…今度はきちんと言葉をとらえ、話し始めた。
「分かってるの…ふたなりなら、そういう酷い事したい気分になっちゃうかも…そういうことは、分かってるの。カナディアに…された時は、辛くて…お姉ちゃんと一緒になるまでは、ずっと憎んでたけど…もう最近は、そんなに気にならなくなってた。……お姉ちゃんと、同じで」
妹はカナディアの顔を見つめると…悲しみとも微笑みともつかない複雑な表情を浮かべた。
「でも、私…カナディアがお姉ちゃんのこと、好きなのを知って…お姉ちゃんが、カナディアを愛しちゃうんじゃないかって嫉妬して…。だから、今でも憎いんだって、自分に言い聞かせてたの。それで、カナディアのこと責めようとしてた。弄んで、嘘をついて、追い出して、お姉ちゃんを独り占めしようとしてた」
シャルレーナは言い終わると、シャルリアンの掌の上からカナディアの手を包み、今度は確かに微笑んだ。
「ごめんね…カナディア。会い方が悪かったけど……でも、ふたなりの体、ヴァイアランス様の体になってみれば、やることも、お姉ちゃんを好きなことも同じだったのに」
「そ、そんな、俺なんかに…謝らないで下さい。ほんとに…俺…悪かったし…なんて言えばいいのか…わかんないけど…」
カナディアは半ば元の言葉遣いに戻りながら、必死にシャルレーナを弁護し、過去のことを謝ろうとし始めていた。
「もういいだろう、二人とも」
だがシャルリアンは二人の言葉を遮ると、シャルレーナとカナディアをいっぺんに、抱きしめた。
「長かった…色々なことがあった。憎んだし、恨みもした。戦って、涙も血も流した。だから、もういいだろう」
温かい腕の中で、二人の少女は声もなく誇り高きエルフの声に耳を傾けていた。
「私も口は上手くない。全てを言い尽くせないが……今、三人とも、お互いに繋がりたいと思っているなら、それだけは間違いのないことだ。おそらくは、それが、ヴァイアランス様の御心だ」
三人は、しばらく無言で、互いの体温だけを感じ合っていた。
だがやがて、シャルリアンの言葉を噛みしめるように……腕の中の二人は、ゆっくりと……ひどくゆっくりと……うなずいた。
***
「ほ、ほんとうに…いいんですか…シャルレーナ様…」
「うん。だって、お姉ちゃんが好きで奴隷になったんだから…奴隷最初のセックスも、お姉ちゃんがいいでしょ。お姉ちゃんの逞しいペニス…欲しいでしょ?」
「…は、はい…」
目はシャルリアンのペニスに釘付けになり、声はかすれきって溜め息のようになりながら、カナディアが答えた。
「ありがとう、レーナ」
シャルリアンは優しく妹の髪を撫でてから、寝台のカナディアを抱いた。
「大好きなお姉ちゃんなんだから、お姉ちゃんが一番嬉しい風にする…当たり前だよ」
もう涙の跡もなくなった美しい瞳で、シャルレーナは笑った。全てが始まる前に…森で何度も見た、一点の曇りもない笑み。
「でもお姉ちゃん…カナディアのそっちがいいってことは…案外、そういう体が好みなの?」
シャルレーナはすねた表情でふざけつつ、手を伸ばしてカナディアの背から尻を撫でた。
カナディア…その体は大人の肉体に戻されている…は、んん、と小さな呻きで愛撫に応じている。
「いや…慣れていると言うか……うん…好き…なのかな…」
頬を紅く…しかし欲望を恥じぬ淫らな笑みを浮かべながら、シャルリアンはうなずいた。
腕に抱いたカナディアの肉体を確かめる。自分に遜色のない、美しく逞しい筋肉に包まれた体。お互いの手足が絡み合い、初めて会った時よりそれぞれ育った大きすぎる乳房が、潰れて密着する。その充足感が、シャルリアンの性欲をとめどなく刺激していた。
「ぁ…ありがとうございます…」
シャルリアンがカナディアに『好き』という言葉を使うことなど、かつて無かった。
カナディアは本物の乙女のように全身真っ赤になっている。黒いゴムめいた肉のペニスがシャルリアンの腹筋をこすり、反り返るシャルリアンのペニスはカナディアの股間で愛液にまみれていた。
「愛撫は…必要ないな。もうこの有様だし…フフ、お前が私を女にした時も、愛撫は無かったしな」
「…も、もう、あの頃のコトは言わないで下さい…。俺……」
「すまんすまん、悪かった」
シャルリアンは珍しくおどけた表情を見せて、ひとまず抱擁を解いた。
「尻から抱かせてもらおうか。お前とは何度も抱き合ったけれど…お前の尻を抱くのは、初めてだ…」
「はい、シャルリアン様」
精のたっぷりと詰まったペニスをしごくシャルリアンの前で、カナディアは姿勢を変えて尻を突き出した。
太い筋肉の絡み合う太ももと繋がるせいで、小ぶりな印象を受けるが……掌を置けば、とても愛撫しきらないほどのボリュームがある尻だ。
カナディアに抱かれ、腕を回す形で幾度も触れた尻。それを今度は、犯すという興奮が…シャルリアンの淫らな貌を引き出していた。
ペニスの先端で、しつこいほど尻肉の谷間をこする。カナディアが震え、挿入を懇願しても、まだ続ける。
「シャ…ル…入れて…」
「シャルリアン様、だろう。罰則だな」
「っあああああっ!!!」
シャルリアンが尻を平手打ちすると同時に、カナディアの体を射精感と射精禁止機能が襲ったようだった。カナディアはビクビクと痙攣しながら、腰だけをくねらせて、必死に粘膜をペニスに擦り付けてくる。
「ぃぃっぐ…申し訳有りません…お願いです…シャルリアン様ぁ…ぁ…お許し下さい…射精できないのに、おまんこされたら…俺、死んじゃいますっ…お願いです…!」
「確か…私かレーナが許可するまでは、射精できないのだったな。…悪くない、このまま始めてみるか……」
「そ、そんなっ…!!」
カナディアは青ざめた顔で振り返り、哀願の涙を流した。
「ああ…いい…お姉ちゃんがカナディアを苛めてるのを見るなんて…考えたこともなかったけど、すっごくいいよ…」
二人の脇で自慰をするシャルレーナが、うっとりとした目で姉を賞賛した。
姉妹がの意見が合致していることを知り、カナディアは絶望の呻きを上げた。
「冗談だ。さっき…レーナが反省したばかりだものな。したくなったら、射精していいぞ」
「は、はいぃ…」
ペニスを襲う苦悶から解放され、カナディアは長い息をついた。シャルレーナは少し残念そうな顔をしたが、シャルリアンと目が合うと照れ隠しに笑う。
だが、カナディアの安堵の表情は、すぐさま快楽に塗り直された。
シャルリアンの鍛えられた腰が繰り出す挿入は、剣のように速く、鋭い。
***
「くうぅ……うううっ……」
「ぁ…シャル…様ぁぁぁ」
カナディアの膣の最奥まで押し入ったシャルリアンは、あまりの快感にうめき、背を曲げて射精を堪えていた。
メイド服のリボンを震わせ、カナディアも小刻みに痙攣している。その顔は至福に崩れ、シャルリアンも初めて見る淫らな様になっていた。
「こ、これほど…良いものだったのか…。は、早く…ペニスを戴いていれば良かったな…」
一方的に犯し犯されるだけの関係だった。それだけに、この交接は二人にとってあまりに新鮮なのだ。
「そんなに良いの? 一応聞くけど…私より良いなんて、こと…ないよね?」
ベッドから降りて、近くの棚から精力剤だの淫具だのを取り出していたレーナが、心配そうに振り返った。
「レ、レーナのとはまた違うんだ…。お前のは私のために産まれたような膣で…何度犯しても飽きない名器だが……カナディアのは、動きで楽しませてくれる…。小刻みに震えたり、子宮の辺りから肉が絡みついたり…形が変わったり、襞が流れるように動いたり…」
「か、改造で…今までより…強化してもらったから…」
蛇のように腰をくねらせてペニスを味わいながら、カナディアが言う。
「ふうん。まあ、樫の良さと蘭の良さ…みたいなトコかな」
「そんな所だ。…んっ…ふっ!」
妹のエルフらしい例えにうなずきながら、シャルリアンは荒々しく腰を使い始めた。
肉感的なカナディアの尻と、逞しいシャルリアンの下腹が、音を立ててぶつかり合う。齢を経た幹のように血管の浮いたペニスが陰唇を出入りする度に、ぬるついた奴隷の愛液が飛沫を上げた。
「シャルっ…シャル様のちんぽっ…いいですっ…ぁあ! 俺っ…はあっ…俺…ううっ…イクっ…」
枕に指を突き立て、尻だけを高く掲げた姿で、カナディアが小刻みに絶頂に達し始めた。数十秒ごとに、膣口の激しい収縮が絶頂を伝え、一回達するごとに膣内の感触が変化していく。膣の中程で回転する肉粒に幹を擦られ、甘噛みするような動きの子宮口に幾度も亀頭を出し入れして、シャルリアンもたちまち強烈な射精感に襲われた。
「くぅ…う…た、堪らないな…これは…本当に…」
初めて立場を逆にした交接を、もう終えてしまうのがもったいなくて、シャルリアンは動きを遅くした。
自分の腰に手を当て、純粋にペニスと膣だけで触れあった恰好で、ゆっくりと腰を前後させる。ペニスの快感にだけ意識を集中させ、快楽を練り込むように…しかし暴発しないように快感の波を抑えながら……カナディアをえぐっていく。
「うぅ…ぁ…シャル様…俺…おまんこが、溶けちゃう……」
シャルリアンが動きを抑えたことで、連続した絶頂から緩やかな快楽に引き戻されたカナディアが呻いた。カナディアもまた、シャルリアンに合わせて性器にだけ集中するかのように、他は身動きせず尻だけをうねらせている。
「ねえ…一段落ついた所で、私も混ぜてくれないかな…? 射精するのが、まだもったいないんだったら…ね、せっかくだから、もっと凄いコトしながら射精しようよ」
ベッドの上で荒い息をするシャルリアン達に、シャルレーナが弾む声をかけた。
***
「じゃ、スイッチ、入れるからね。いい?」
「は、はい……」
シャルレーナに答えるカナディアの声が、震えている。
無理もない。シャルリアンとカナディアは、もう十分以上も繋がったままなのだ。その間シャルリアンは、一突きも腰を動かしていない。ただ、互いに向き合って、カナディアを抱きかかえるような姿勢に体位を移しただけである。
その十分間は、シャルレーナがカナディアの肛門を責めることに費やされていた。
そう、姉妹二人で犯しながら、シャルリアンがカナディアに行う最初の種付けを迎えよう…ということなのだ。
しかも、カナディアを少女の姿にしてから。
「膣も縮むらしいからな…少し苦しいかもしれないが…」
「へ、平気です。そういう無理は効くように、改造してもらったから…」
不安げに言うシャルリアンに対し、カナディアは興奮に震えながら笑顔を作った。
「それを聞いて安心。じゃあ、いくよ」
シャルレーナが、カナディアの右耳にあるスイッチを入れた。
「ひっ…ひぅあああああぁっ! シャル様のっ…ちんぽがぁっ…うあっ、おっきく……んんんっ!!」
「ぐっ…締まるっ…!!」
ただでさえ密着しているカナディアの粘膜が、ペニスを締め上げるように縮小し始めた。処女膜が再生し、形成される端から、シャルリアンのペニスにミチミチと引き裂かれていく。容積を失って噴出した愛液の中に、幾筋かの破瓜の血が混じった。
「ああ…う…射精…したいっ…」
「ぉ…俺も…です…」
「ダメ。お姉ちゃんも、カナも、私も、一緒にイクって約束したでしょ」
シャルレーナが、自分自身もペニスを張り詰めさせながら、カナディアの幼い尻を抱えた。
シャルリアンのペニスは、ピアスの『シャルレーナの膣にしか射精できない』という魔力を再起動させられて、射精できなくなっている。カナディアはもちろん、はじめから射精禁止機能が付いている。つまり二人とも、シャルレーナの許可無しでは射精できない状況なのだ。
「可愛い…お姉ちゃんのちんちんに喜んで、ひくひくしてる…。でも、もっと良くしてあげるからね…」
小ぶりになったカナディアの尻にキスをしてから、シャルレーナはペニスをあてがった。
腕の中でビクリと震えたカナディアを、安心させるように強く抱きしめる。カナディアの期待と不安に震える鼓動が、二人の大きな胸を通しても感じられるようだ。
「いくよ」
シャルレーナの囁きと共に、カナディアの体が激しくのけぞった。
カナディアの幼い膣の中に収まった、シャルリアンの剛根。その裏筋を、形まで覚えきった妹の亀頭が、ゆるゆると擦り上げていく。
挿入がゆっくりしているだけに、妹のペニスがどこまでカナディアのアナルを犯しているか、はっきりと分かるのだ。
「…っ…はっぁああああ…い…ぅ…ぅぅぅぅぅ」
シャルリアンに抱かれたカナディアは、言葉も叫びも出せず、ただ大きく息を吸い、吐き、巨大な二本目のペニスを受け入れようと必死になっていた。
それを応援するように、シャルリアンはカナディアの瞳を見据え、髪を撫でる。シャルレーナもまた、カナディアの背中をさすり、無理をしないように確かめながら、ペニスを進めていた。
「っ…あ! ぁ…は…入り…ました……」
シャルレーナのペニスを呑みきった所で声をあげ、カナディアは幼い微笑みで姉妹に応えた。
「よく頑張ったな…」
「いい子だよ、カナ」
姉妹の賞賛する声も、射精を堪える快感と苦痛のあまり、震えている。
「二人の…ストッパー…解除するね…」
妹が潤んだ瞳で姉を見据え、姉と奴隷の腰をまとめて抱いた。
そして、姉妹は同時に動き始めた。
***
カナディアのみずみずしい粘膜をこじ開け、最奥までペニスを突き込む。それと同時に、ペニスの裏側を愛する妹の感触が擦り、降りていく。
放すまいと絡みつく肉襞を味わいながら、カナディアの小さな膣口にカリが引っかかるまで、腰を引く。それと同時に、妹のペニスの感触は自分を擦り上げていく。
初めて味わう快感だった。
カナディアが息を詰まらせ、最初に射精を始めた。
だがあまりに堪えていたためか、始めの数射では精液が出てこない。透明な先走りが、射精とまったく同じ勢いで噴出し、シャルリアンの美貌に迸った。
シャルリアンは獣のように腰を動かしながら、その透明な射出を舐め、口腔に受け入れる。やがて飛沫は白を増して精液に代わり、濃い味が舌に届いた。それを舌で絡め、向かい合うカナディアの顔に垂らし、塗りつける。妹が淫らに微笑みながら舌を伸ばし、三人は舌を絡めた。そこに、容赦なくカナディアの二度目の射精が割り込み、三人の舌と顔をドロドロに汚していく。
愛する二人と自分の間に引く白い糸を見つめながら、シャルリアンも絶頂に達した。
腰が震え、失禁したように愛液が漏れた。ペニスが痛いほどの勢いで、濃厚な精液が飛び出し、カナディアの幼い子宮をいっぱいにしていく。脈動が二倍になる。妹も射精しているのだ。
意識が白く泡立つ快楽に変わっていく中、シャルリアンは感じた。
ヴァイアランスの導きで始まった三人の戦いは、狂おしく絡み合い、一つになり……今、終わりを迎えたのだ、と。
ヴァイアランスの導きは、戦いを越えて続いている。遠く…さらに遠く…それは、どこまで幸せな………