交ワレ。

 下腹からは、巨木のような肉の棒が、脈動しながらそそり立っていた。

 ナンダ、コレハ?
 爪の先で触れると、生まれて初めての感覚が、その幹から全身に走った。
 稲妻は体の芯から手足の隅々にまで走って、ゼブジールの股から霧のように液体を噴出させた。脳までが熱く痺れ、心臓が暴れ、荒く吐き出す息が洞窟の天井を白く霞ませた。
「発情したな。生殖本能も旺盛、いい種牛になる」
「わぁ、ヴィルもおっきくなってるぅ。へへ、じゃボクは最初のを搾っちゃおうかナ」
 白い獣と茶色い人間は、ゼブジールを恐れる様子もなく、近づいてきた。
「オ前達……ナンダ?」
 全身を侵す熱に戸惑いながら、ゼブジールは片言の言葉を吐き出した。
「貴様の主、ラネーシア様の使いだ。貴様を迎えに来た」
「ラ…ラネー…シ…ア?」
 その音の響きは、ゼブジールの脳裏で何度も反響して、本能を揺り動かした。
 交ワレ。

 そうか。何よりも、それに従わなくてはならないのだ。
 ゼブジールは低く頭を垂れ、二人の使者に無防備な体勢を見せた。
 生まれて初めての、服従。
 堪らなく心地よかった。

「いい牛だ。名は?」
「ゼブジール……」
「そうか。私はヴィランデル。貴様の主にして、交配者だ」
 幅1.5mを越えるゼブジールの丸い尻を撫でながら、ヴィランデルはその性器を眺めた。
 淫裂だけでも優に30cmはある。それを両手で押し広げると、林檎のような陰核からアナルまで、ヴィランデルは一気に舐め上げた。
「ウオオオオオオッ!?」

 脳天まで突き上がる電撃に震え、ゼブジールは絶叫した。
 何なのだ、これは!? 痛みとも違う。熱い。熱い……
 熱さは子宮で凝集され、白く濁った愛液が、ヴィランデル目がけて噴出した。
 文字通り滝だ。ヴィランデルの毛皮は粘液で濡れそぼり、洞窟中に甘い淫臭が立ちこめた。
「十分だな。いくぞ」
 ヴィランデルは満足げに笑うと、上半身全体を使ってゼブジールの尻を抱え、人間の腕ほどもあるペニスを激しく突き入れた。
「ガアアアアアアァァァーッ!!!」

 痛みと、それを消し飛ばすような快感が、ゼブジールを満たした。
 突撃する軍馬もかくやという勢いで、ヴィランデルは巨大な尻に腰を叩きつける。高く心地よい肉の音が洞窟に反響し、床はすでに愛液で池のようになっていた。
 自分の中を太い熱が行き来する度に、ゼブジールは洞窟の岩を引き裂いて悶える。
「〜〜〜〜ッ!!」

 その巨体が、激しく痙攣した。目は虚ろに、口の端から涎をこぼしながら、ゼブジールは自分の下半身を見下ろした。
 そこでは、褐色の少女が大木のようなペニスに跨り、枝のように張った人間サイズのペニスを幾本も、その身に受け入れていた。
 巨大な性器の先端の、最も敏感な部分が、長い舌でねぶられ、丸い胸の弾力で包まれ、狭い肉壁に搾られ、直腸に締め上げられる。
「すごい・・・精子が上がってくるの、分かるよ。じゃ、初めての、出させて上げるね」
「私も限界だ・・・貴様のその豊かな子宮で、たっぷりと孕め!!」
 ルキナの蛇のような性器が、ゼブジールの巨大な亀頭の先端、尿道に挿入された。
 ヴィランデルの鉤爪が尻の肉に突き立てられ、熱い塊が腹腔で炸裂した。

 声も出ない。

 交ワレ。
 子ヲ残セ。
 これが……俺の、ラネーシアのミノタウロスの、成すべきことなのだ。

 ルキナのペニスが引き抜かれた場所から、間欠泉のように濁った精液が迸り、洞窟の岩に広がり、糸を引きながら三人に降り注いだ。

 ゼブジールが放出した濃密な精液で白い海と化した洞窟の中、二人の混沌の戦士は、気を失ったミノタウロスを優しげに撫でていた。
「神殿においで、ゼブ」
「貴様は、今宵から神殿に使える聖獣だ」

 その晩から、ゼブジールに呼びかける本能は三つに増えた。
 喰ラエ。
 交ワレ。
 子ヲ残セ。

 と。

NEXT Night→Julia Lakeland