ずっと、これを恐れていたのだ。
 生まれた時からミルファの体に付いていた、忌まわしく醜い肉の器官。
 理性も、知性も飲み込んでしまう、ケダモノの体。
 両性具有。
 ミルファが憎悪し続ける混沌の力がもたらした、突然変異の刻印。
 これを憎み、恨み、ただ混沌を殺し続けてきたのだ。
 封印したはずだった。秘薬を調合し、瞑想を続け、学問に打ち込み、押さえきったはずだった。毎晩していた自慰もここ一年は押さえ、夢精の嫌悪感に苛まされる朝以外は、忘れていたはずだった。
 なのに。

 ローブとズボンの上からでも明らかに分かる、ミルファの隆々とした勃起を見つめ、褐色の肌の混沌戦士は、邪悪な笑みを浮かべた。
 意識が乱れて呪文が紡げない。戦士は一歩一歩近づいてくる。
「フフ、ちんちんを大きくする呪文? 面白いね」
 少女としか思えない戦士に唇を重ねられた瞬間、ミルファの股間で熱い粘液が炸裂した。

「ああ……はぁあっ……く! くぅぅぅっ!!」
 ケイオスチャンピオン・ルキナの腰を抱え、ミルファは六度目の射精に身を焦がした。
 大きな褐色の胸に自分の胸を押しつけ、柔らかな肉塊が潰れ合う感触に歓喜し、また性器を硬くする。その度に、ルキナの膣内は襞の作りも締め付け方も変え、巧みにミルファの精を搾り取ってくる。
「ホラホラ、どうしたのぉ? 混沌を退治するんでしょ? ねえ、ボクのコトも退治してよ。そらぁ」
「!!」
 ルキナの中が絡みつくようにうねり、ミルファは声もなく一瞬で達する。
「ね、どうしたのさ。呪文唱えなよ。その太くて硬ーいロッドで、ボクのことやっつけてよ。早くしないと……敵が増えちゃうよ」
 また腰を動かし始めたミルファの背後で、地響きがした。
 首を回すと、ベッドの天蓋を押し上げるように、巨大な白い獣が顔を覗かせていた。
「あーあ、タイムオーバー。ヴィルぅ、このコ、混沌を退治するんだってさぁ。でもボクらも黙って殺されるわけにはいかないし、反撃しなきゃ、ね」
 ルキナは深々とミルファに繋がったまま、ミルファの小振りな尻を両手で広げた。まだ何も受け入れたことのない美しい裂け目が、獣の目に晒された。
「美しいな。それに魔力に満ちている。我が子を孕むには、申し分ない」
 獣は掠れた声で唸ると、胸元までそそり立った生殖器を包むレザーを剥いだ。
 赤黒く脈打つソレを見た瞬間、ミルファの子宮は打ち震え、狭い産道から体液を迸らせた。
 欲しい。あの獣の子が。あの獣の精液が。あの獣の男根が。
 そしてあの獣の大きな尻に自分を突き立て、犯し抜きたい。あの獣も、ルキナも、全て、全て……

 ああ。
 私も……

 私も、ケダモノだったのだ。

 胴を真っ二つに引き裂くような挿入で処女を喪い、沸騰したような獣の精液で子宮を膨らませ、
 ミルファは今までにない快感に震えながら、とめどなくルキナの中に射精を続けた。

NEXT Night→Zebu−zeal