なんだかとても、気持ちがいい。
 自分の体のどこかを、温かくて濡れたものが這い回っていて、腰から下が溶けてしまいそうだ。
 生まれて初めて寝るような、フカフカのベッドの上。優しい色の灯り。
 どこ?
「? ?」
 ヴェーラが目を開けると、とてもとても綺麗な女の子が、ヴェーラの蛇を愛おしそうに舐め回していた。辺りは頑丈そうな石造りの建物で、お城か神殿のよう。
「目、醒めたみたいだね。おはよ」
「ふにゃ?」
 訳が分からないけれど、その女の子の笑顔がとても可愛かったので、ヴェーラは自然に微笑みを返していた。
「あ…れ?」
 蛇の先っぽに全身の血が集まっていくような感じがして、腰の中が空っぽになるほど力が抜けて、ヴェーラの変なモノは、もの凄い勢いで白い液体を吐き出し始めた。
 褐色の肌の女の子は、それを全身に浴び、蛇の先っぽに口をつけて飲んだりしている。
 牛のお乳みたいだ。
「にゃはは」
 とっても可笑しいし、気持ち良いし、楽しいし。
 ヴェーラは笑った。

 次に気付くと、ヴェーラは女の子と向かい合っていて、ヴェーラの蛇は女の子のおしっこの出る辺りに入っていた。その中は熱くって、さっきの舌の何十倍ものひだひだがあって、とても気持ちがいい。
「ここ、きもちいいよぉ…ここ、えっと…誰?」
「ルキナ。ボクは、ルキナって言うんだ」
「そっか。ルキナの、中」
 こすると気持ち良いので、ヴェーラは腰を振って蛇を出し入れし始めた。
 よく見れば、ルキナの股もヴェーラみたいな蛇を生やしているし、胸も大きいし腹筋もぽこぽこだし、自分そっくりの姿だ。
「キミは、何て言うの?」
「へ…えとね…ヴェヘ、ヴェ、ヴェーラ、クィス…キィス、ス、キィスティオぉ」
「え? ……キスティオ? ふうん、変な名前。じゃあなんで、森の中なんかうろうろしてたの?」
 ヴェーラの蛇を受け入れたまま腰を振り、その大きな胸を押しつけながら、ルキナは尋ねた。
「えっとね…えっと…」
 森……村……血……
「父さん…」
 何かを思い出しそうになって、ヴェーラの目から涙が溢れた。
「あ…アタシ……父さん……殺しちゃった…トマトみたいになって…父さん…」
 死んでしまった。
 動くのを止めて、ヴェーラは虚空を見つめたまま泣き始めた。
 泣きたくなんかないのに。でも、殺しちゃった。殺しちゃったんだ。だから……
「ふうん。殺しちゃったんだ。でもどうせ、ロクでもない奴だったんでしょ?」
「うみゅ…でも…アタシ…好きだったんだぉぉ…父さんも…兄さんも…母さんも…。でも、れも、みんないなくなっちゃったよぉお!!」
 ヴェーラは両手に顔を伏せると、子供のように嗚咽を漏らした。ルキナはその様をしばらく見た後、愛らしい唇に笑みを浮かべる。
「泣いちゃダメ」
「あふにゃあぁ!?」
 ルキナの中がウネウネと動いて、ヴェーラは思わずのけ反った。二人とも動いていないのに、堪らない感触が蛇全体を這い回っている。
「泣いてたらつまんないよ。ボクが、とっても楽しくしてあげる」
「ひにゃぁっ、ル、ルキ、ルキナ、らめっ…あああっ!」
 あまりの快感に泣くことも忘れて、ヴェーラは腰を前後させた。酔って赤みを増した黒い顔はたちまち歓喜の表情に変わり、二人の結合部分からは飛沫が上がる。
「あはぁぁぁ、また、なんか、出るよぉおぉ!!」
 頭が真っ白になって、ヴェーラはさっきよりたくさんの液を、ルキナの中に放った。
 全身が瘧のように震え、でも蛇だけは激しく息づいて、何度も何度も、ヴェーラに快感を送った。
 一分は出続けていただろうか。ルキナの中はヴェーラの汁で満杯になって、シーツの上にまで白い水たまりが広がっている。
 ヴェーラは脱力して、ルキナの柔らかい胸に上半身を埋めた。その髪を、ルキナがそっと撫でた。
「キスティオ、今日からはボクらがキミの家族になってあげるよ。毎日気持ち良いコトして、楽しくしてあげる」
「……泣かなくて…いいの…?」
「うん」
「ふみゅ…」
 ヴェーラはとても嬉しくなって、ルキナの乳房を枕にしたまま微笑んだ。
「でも、一個だけ。ルキナじゃなくて、ルキナ様。いい?」
「うん…ルキナ様……」
「いい子。じゃ、ベッドに四つん這いになって、お尻出して。今度は、ボクのこれで気持ちよくしてあげる」
「うん」
 ルキナに命じられるまま、ヴェーラは形のいいお尻を高く上げた。指が這い、舌で舐められ、さっきまでとは違う快感がお腹の奥まで響いている。
 そのうちルキナはヴェーラのお尻を抱くと、あの大きな蛇を、ヴェーラの小さな穴に突き刺した。
 少し痛かったけど、ルキナが動く度に気持ちよくて、ヴェーラは自分の先っぽから何度も白い液を出しながら、喜びの声を上げ続けた。

 父さんも、これがしたかったのかな。

 ルキナ様となら、してもいいや。
 ルキナ様は、今日から家族だもんね。

 熱い奔流を腹の中いっぱいに受け止めながら、ヴェーラは至福の笑みを浮かべた。


 最後に泣いたのは、この日。
 それ以来、ヴェーラは……キスティオは、みんなといつも笑って暮らしている。

NEXT Night→Guildia Verdence