烈翔麗(リエ=シャンリー)の褐色の筋肉を、白濁液が流れ落ちていく。
 シャンリーの逞しい美躯を囲むのは、隆々とペニスを勃起させた金髪の少女達。
 その少女達が、シャンリーの破廉恥な姿を目で犯しつつ、次々と精液を放っていく。
 びゅるびゅると卑猥な音を立てつつ、ゼリーのように濃い精液が舌の上に広がる。
 ぴゅう、ぴゅう、と小刻みに若々しく、鋭い射精が子宮の底に撃ちつけられる。
 羞恥の極みと被虐の悦びに全身を焦がしながら、シャンリーは幾度目とも知れぬ絶頂を迎えた。


 そもそも、なぜシャンリーがこんな状況に陥っているのかというと……

***

 連なる車の列を、シャンリーは呆気にとられて眺めていた。
 リムジンにベンツ、車に疎いシャンリーでも高そうだと思うクラシックカー。長いもの短いもの、大型車小型車、様々な車が一直線に新御空崎市の街路を走っていく。
 車に乗る者たちと言えば、これまたバラエティに富んでいる。日本人に欧米人、アラブの特徴的な衣装に、チャイナ服も見える。いずれも上流階級の雰囲気をまとった人々だ。
 そして街路のあちこちに立つ、音神警備のSP達。
 これではまるで----
「まるでサミットなのにゃ」

 シャンリーが思ったことをそのまま、隣に立つ松坂にーなが口に出した。

 今夜はクリスマスイブ。道で行き合わせたシャンリーとにーなは、たまたま同じパーティーに招待されていることを知り、二人で会場まで歩くことにしたのである。
 シャンリーは少し厚手のカンフースーツの上に、チャイナ風の綿入れを着ている。厚着でも全身の筋肉の美しいラインは隠しきれず、パンパンに張った綿入れは、弾力に満ちた球形の乳肉を二つ収めている。
 一方にーなはフェイクファーをたくさん付けたコートを着て、その裾から牛の尻尾を可愛らしく揺らしていた。シャンリー以上に大きい…TVでも常に目立つ豊かな爆乳は、やはりコートを大きく押し上げて自己主張していた。

「しかし大したものだな…綾藤の家というのは」
 そう言いながら、シャンリーは強い光を放つ街灯を見上げた。
 そこに書かれた町名は…
『綾藤』。
 新御空崎市の北部にあるこの一帯は、全てが綾藤家の地所であるらしい。
 音神学院を中心とする学園都市・新御空崎市が開発された際、この地方の旧家であった綾藤家が多くの土地を寄付したというのは、生徒の多くも知る有名な話である。
 しかし寄付後も綾藤家が持つ土地は広大で、市内には綾藤の名を冠された一画が残っている。その中心にあるのは、古風で豪華な日本家屋。綾藤ちはやも住む、綾藤家の邸宅である。
 そして道を大挙して進む国際色豊かな車は、世界各地から綾藤家のパーティーに招待された貴賓達のものなのだ。
「ちはやちゃんも大変ニャ。この辺丸ごと自分ちみたいなものだけど……今夜中にいくつもパーティーを周るんでしょ?」
「ああ…私達の会場にも、顔を出すと言っていた」
 シャンリーは目的地となる建物を遠くに見つけながら、答えた。
 綾藤家が所有する店舗や住宅が並ぶ中、やや大きめな3階建ての建物。柔らかい光を窓から漏らす瀟洒なタウンハウスが、シャンリーとにーなが招かれたOTCクリスマスパーティーの会場だ。
 使い切れないほどの施設を市内に持つちはやは、友人達のクリスマスパーティーにも会場を提供している。そんなちはやとOTC共催のパーティーに、二人は招待されていた。シャンリーはブリタニー、にーなはベティと、それぞれOTC所属のクラスメイトに誘われて…。  

***

「WELCOOOOM!!」
 扉を開いた途端、歓声が二人を包んだ。
 1階から3階まで吹き抜けになった白い室内に、輝くクリスマスツリー。暖かみのある照明。そして躍る赤と青…OTCユニフォームの美少女達。
「OH! 烈センパイ、にーな! やっト来てくれたデース★」
 多くのチアリーダー達の中央から、特徴ある愛らしい声が響いた。
 人垣が割れ、一人の両性具有者が現れる。
「ベティちゃん!」



「Merry Xmas、みんなスペシャルゲストを待ってたデスよ」
 駆け寄るにーなを抱きとめて、OTCの看板娘・ベティ=アレクサンダーは輝く笑みを浮かべた。

 フタナリには美人が多いという。
 確かに女性の平均より美しくない両性具有者というのを、シャンリーは見たことがない。
 またアングロサクソン系の女性美にも、独特に際立った所がある。
 その両方を備えた者が多いOTCメンバーは、いずれもニンフか妖精か(実際にエルフもいるが…)という美しさである。  
 けれどその中でもなお……ベティは愛らしい。
 あどけなさを残した顔に、大きな青い瞳。柔らかい金髪は少しクセを見せながら、丸いおでこを飾っている。そしてユニフォームに収まりきらない豊かな乳房のカーブ…しなやかに細い腰…少し大きめのお尻から伸びる、タイツに包まれた長い脚……いずれも魅力的すぎる。
 だが顔つきや体つきばかりでなく、仕草や言葉の一つ一つまで、ベティには人を惹きつける華があるのだ。
 特別金髪やチアリーダーが好きというわけではないが……そんなシャンリーでも、胸のどこかが締め付けられるような愛しさを覚えてしまう。

「ボク、パーティーとか大大大好きだから、うれしいなあ。いいの、OTCのパーティーなのにボクらが来て」
「毎年スペシャルゲストを呼ぶことになてマス。今年は、有名なセラフィト=セラフィタのにーなと、学園イチのMuscular Beauty、烈センパイデス♪」
ベティが言うと同時に、周囲の金髪美少女達から歓声と喝采が上がった。
 全身を包む眼差しと、囁かれる賞賛。武術で鍛え上げた肉体に自負が無いわけではないが、そんなにも注目されるとまばゆくて仕方がない。
 太く逞しい腕で胸を楕円形に抱き、もじもじとうつむきかけた所で……
「みんな、ダメ。シャンリーが照れちゃうでしょ」 、
 透き通る声と共に2階から降りてきたのは、OTC部長のブリタニーだった。
「ブリタニーっ…べ、別に…照れっ…」
 照れてるわけではない、と言いたいのだが、実際照れているわけだから言葉がうまく出ない。
 ブリタニーはそんなシャンリーに優しく微笑みかけると、パンパン、と高く手を叩いた。
「さあ、綾藤さんがあと少しで来るわ。みんな用意して…シャンリーとにーなさんにも、着替えてもらって」
「着替え?」
 シャンリーとにーなが同時に声を上げると……
 ブリタニーとベティは天使のような笑みを浮かべ、Yes、と応えた。



戻る