赤い飛沫が炎を浴びて煌めき、熱の中に気化していった。
神殿に居並ぶほとんどの者が、一瞬では事態を把握できなかった。
血。
それは、血だ。
吸血鬼の肉体が弾けたのだ。
戦慄が走る中、赤いしぶきは留まることを知らずに吹き上がり、中空にルビーの海を作り上げる。
「嘘……ジュ、ジュニ……」
トーニャは自分の体を両腕で抱き、震えながら前列へと歩み出た。ピンク色の髪に赤い水滴がかかり、顔を伝って服に染み込んだ。
「ジュニ!!!」
トーニャはたまらず決戦場へ駆け出そうとし、ぬかるみに脚を取られて膝をついた。
ぬかるみ。赤絨毯の上には、とても染み込みきらない量の白い水溜まりができている。
――白……?
そう、白。降り注いでいたルビーの雨すら、今や透き通った白い飛沫に姿を変えていた。白い液体は容赦なくトーニャの顔にもかかり、その唇の中にも入り込んでいく。
その味は……間違いなく、精液のものだった。
「ジュニ……ジュニが、射精してるの…!?」
顔を上げたトーニャの視線の先では、淫獣に凌辱される吸血鬼の美少女が、屹立した男根から大量の射精を繰り返していた。
卑猥な粘質の水音をまき散らしながら、ジュヌビエーブの精液は高く噴きだし、戦士達に降り注ぐ。誰もが吸血鬼の変貌に目を見張っていた。
「くすくす」
「…ルキナ様……」
背後で忍び笑いをする主人に、トーニャは振り返った。
「そろそろかな、とは思ったんだ。ジュヌビーもシオン様のお気に入りだから…たくさんエナジーを吸えば、きっと印をいただけるってね」
ジュヌビエーブの初めての射精を陶然と眺めながら、ルキナは微笑んだ。
「これでもう、ジュヌビーは負けない。精液を吸っては撃ち出す、可愛い精液ポンプになっちゃったんだから♪」
トーニャはゆるゆると、ルキナの指し示す方向へ視線を返した。
体の中から、煮えたぎったエナジーが飛び出ていく。
一打ち、一打ち、それは生命の躍動に乗りながら、白い液体となって迸っていた。
逞しく変貌した下腹を精液が走る度に、それは死者の肉体を快楽でかきむしり、脊椎から脳までを白く灼熱させた。
「射精してる……わ、私っ、射精してますうぅぅ!!」
ジュヌビエーブは信じがたい己れの変貌を目にしながら、歓喜の叫びを上げた。
尻から撃ち込まれる快楽と焼けるようなエナジーの量は変わらない。だがそれは、ジュヌビエーブの体内を駆け巡り、さらなる快楽を生み出しながらペニスを通過している。
「気持ちい゛ひっ……気持ちいいでふうぅっ!! コロンさん、射精して、ドクドク射精して下さひぃぃっ!!」
猛然と自らのペニスをしごき上げながら、ジュヌビエーブは白い尻を振りたくった。腰に満ちる快感が増し、それはさらに射精のエナジーに変わっていく。
「……え…? な、なに……?」
ようやく事態に気付いたのか、コロンが怯えた獣のように身をすくめた。しかし獣欲が止むことはないのか、腰の動きは止まらない。
「え? ええっ!? ジュヌビエーブが射精……な、なんで!? やっ!? あれ、止まらないっ……」
コロンは涙目になると、ジュヌビエーブの尻を強く突き放し、体を離した。
「熱い…熱いよぉ……やだ…ボク、変だよ、腰が止まらないよぉ……」
コロンは床に尻餅をついたまま、まだ交接しているかのように、腰だけを激しく動かしている。だが、理性は必死にそれを止めようとしているらしい。
覚醒した獣欲が仇になったのだ。コロンは分離した理性と肉体に困惑しながら、床で悶えていた。
「コロンさぁん……まだ、エナジー出したいって、コロンさんの体が言ってるんですよぉ、それ…」
ジュヌビエーブは邪悪な笑みを浮かべると、射精の余韻で脈打つペニスを握りながら、コロンの前に膝立ちで進み出た。
「え!? ま、待って…あ、はっ!」
首を横に振りながらも、コロンは腰を大きく突き出した。衰えを知らない獣のペニスが、ジュヌビエーブの前に差し出される。
「はふうう……エナジー、美味しそうですぅ……」
ジュヌビエーブはあられもなく涎を垂らしながら、コロンのペニスにむしゃぶりついた。
口の中に広がる甘美な精力の味。くわえ、舐め、尿道に残った精液を吸い出しているだけで、自分のペニスが熱く強ばっていく。
――入れてみたいですぅ…
自分を気持ちよさそうに犯すルキナの姿を思い浮かべて、ジュヌビエーブは目を細めた。
すぐそこに、コロンの小さな性器がある。薄く閉じた一筋の割れ目、その下の方に少しだけきれいな陰唇がはみ出していて、トロトロと愛液を漏らしていた。
「コロンさん…いただきまぁす……」
「ふえ…?」
くわえていたペニスを大きな胸に挟むと、ジュヌビエーブはコロンの腰を抱えた。まだ挿入に不慣れなので、左手の指で膣口の位置を確かめながら、ゆっくりと亀頭を押し当てていく。
「くひっ!?」
「あ、あああああぁぁぁ……こ、これが……おまんこ…スゴイですぅぅぅ……」
コロンが目を見開き、ジュヌビエーブの口から長い感嘆の吐息が洩れた。ぬるついた小さな肉の粒が、ジュヌビエーブに未知の快感を与えていく。ゆっくり、ゆっくりと味わうように、ペニスは小さな肉の隙間を押し開き、コロンの体温に包まれた。
「あああぐっ!!」
コロンの体が挿入の快感でのけぞり、ジュヌビエーブの豊かな双球の間から、新鮮な精液が走り出た。
ジュヌビエーブはそれを直に喉で受け止め、至福の笑みを浮かべながら嚥下する。
「美味しいですぅ……気持ちいいですぅ…あはあ……」
初めて女性器を犯す快楽に、ジュヌビエーブは溺れきっていた。今までふたなりの皆がジュヌビエーブを喜んで犯していたのも、理解できる。女の快楽、吸血鬼の快楽とも全く違う、それは激しい情動の快楽だった。
「あはっ…ふうっ! いいですっ、おちんちんが溶けちゃいそうですぅ……ああっ、精液出ますっ、また射精しちゃいますぅ!!」
「いはあっ…も、もう許してっ……! ボク…もう…もう…」
ジュヌビエーブの背が射精に合わせて震えると、コロンもまた射精を迎えて硬直する。獣の精液はジュヌビエーブの喉を潤し、また射精のエナジーとなって、吸血鬼の下腹に溜まっていく。
それは、二つの美獣で作られた永久機関のようだった。
だが……それにも、終わりはある。
ジュヌビエーブがコロンを犯し始めて十数分、幾度となく射精を繰り返したコロンが、ついに失神してくずおれた。
「あ…」
自分から離れていくペニスを名残惜しそうに見つめつつ、ジュヌビエーブもまた精液まみれのペニスを引き抜く。
決着は……着いたかに思われた。
「まだ……出そうですぅ…」
失神したコロンのペニスは、まだかすかに獣の精力を残すかのように、半勃ちの状態で脈打っている。
ジュヌビエーブは貪欲な魔物の笑みを浮かべると、コロンのペニスを根本から舐め上げた。
「もう…もういいっ! やめろ! 勝負はついてる!!」
ブランジェの叫びが神殿に響きわたった。だが、まだ決着の神託は降りていない。
「ふふ…おちんちん…私のおちんちんが、エナジー欲しいって涎を垂らしてますぅ……」
握りしめられたジュヌビエーブのペニスから、射精と見まがうほどの量の、透明な先走りが溢れ出した。ジュヌビエーブはそのままペニスをコロンに近づけ、亀頭同士を摺り合わせる。
「ん……」
新たな刺激に、コロンはうっすらと瞼を上げた。
「は…はあうううっ……いきますよぉ…」
「え…ええぇ…う、ウソぉぉぉっ!!?」
居並ぶ誰もが目を見張った。
屹立したジュヌビエーブのペニスが、じわじわと尿道を押し広げながら、コロンのペニスを飲み込みはじめたのだ。
「ウソっ…うそっ…あ、ああああっ!? す、スゴイよぉっ!? ち、ちんちんがぁっ…入って…あ、ひぃぃぃっ!?」
「んくぅ……さ、さすがにキツいですぅぅ…はあはあっ……」
コロンのペニスはゆっくりとしかし確実に、ジュヌビエーブのペニスの中に挿入されていった。新鮮な刺激にジュヌビエーブは震え、新たなエナジーを求めて、尿道の粘膜が蠢き出す。今やジュヌビエーブのペニスは、混沌の力と吸血鬼の欲望から生まれた、新たな交接器として働いていた。
「なんで…こんな……すごい…おちんちんの中なのに、おまんこみたいだよォ…」
ガクガクと震えながら、コロンは本能的に腰を進めていく。やがて二つのペニスは根本まで一つになり、二人で一つのペニスを共有するように、肉体は密着した。
「さあぁ…行きますよぉ…」
ジュヌビエーブは虚ろな目で自分のペニスを見つめると、それを両手でしごきながら、腰を動かし始めた。
「うああああっ!? ち、ちんちんしごいちゃダメぇぇぇえっ!! ボク、ボク、ボクぅぅっ!!」
「下さいぃぃっ、コロンさんのエナジー、私のおちんちんの中にっ…あ、あ、あああああっ!!!」
二人は同時に痙攣し、そして同時に精を放った。
ジュヌビエーブのペニスの中で、二人分の精液とコロンのペニスが絡み合い、想像を絶する快楽を生み出していく。
ジュヌビエーブも、コロンも、ペニスの快楽に翻弄されて声を失い、ただ、二人の体を抱き締め合った。
連続した射精の波が引き、ぷっくりと膨らんだジュヌビエーブのペニスの鈴口から、夥しい量の精液がこぼれ落ちた。
「どっちが勝ったの……?」
「わからん…」
トーニャがヴェスタの手を取り、息を呑んだ。
「コロン……」
ブランジェが悲痛な喘ぎをもらし、ザラの胸に顔を伏せた。
ぱふり。
ジュヌビエーブの大きな胸に、コロンの顔が埋まった。
「コロンさん……良かった……ですぅ…」
折り重なるように、ジュヌビエーブの顎が落ちる。
何事もなかったかのように安らかな二人の寝顔。
ただ、ジュヌビエーブの額には、輝かしいヴァイアランスの勝利のルーンが煌めいていた。
| CHAOS JYHAD 第二戦決着! どうやら両者対戦の記憶を半ば失っているようですが、ポイントは変動します。 コロンの潜在的エナジーまでも吸収したジュヌビエーブは、大きくポイントアップ。 コロンは敗者ですが、十分再起できますので、投票は引き続き行われます。 なおこの結果は、次回更新時から対戦表に反映されます。 |